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ビンテージ&アンティーク「買い付け紀行」

アメリカ買い付け紀行「オールドタウンへ」

 

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土曜日は、LAから200キロほど離れたオールドタウンへ。

 

 

 

もともと荒野だったところに造られた新興住宅街を
いくつも越えて行くルート。

 

途中まではLAへの通勤圏でもあり、
平日だと激しい渋滞に巻き込まれるので、

土曜日を選びました。

 

 

ところが30分くらい走ったあたりで、車の流れが止まってしまい・・・。

 

普段は混まないところだったので事故かと思いきや、
道路工事でした。

 

しかも通行止めをしているとのことで、
この先のインターでフリーウェイを強制的に降ろされることになり・・・。

 

 

カーナビはフリーウェイを使うルートしか教えてくれないし、
私のスマートフォンはWiFiのあるところでしか使えないので、

どうすれば・・と思ったのですが、

他の車がみな同じように進路を取っているところを見ると、

これについて行けばフリーウェイに乗れるだろうと。

 

した道でも工事をやっていて、ずい分と時間ロスをしましたが、

40分くらい走ってフリーウェイの乗り口に出ることが出来ました!

 

 

 

 

 

 

 

した道はずっと新興住宅街でした。

 

子供達のフットサル大会の様子が見れたり、

ある住宅地などは区画が牧柵で囲われていて農園地帯風だったり、

別のところはリゾートホテルのような瀟洒な塀で仕切られていたりで、

普段走り過ぎるだけの町にズームイン出来て面白かったです。

 

 

 

 

アンティークディーラーだって
探せばきっと何軒かあるんだろうなあ。

 

 

初回買い付けに出る前、

買い付けの大先輩に、

「え?フリーウェイだけ使うの?

じゃあ、した道にある小さいところには行かないんだ」

と言われたのがいつまでも頭に残っていて。

 

小さいところだってフリーウェイを使って行けるけど・・・

と、内心で思ったものでしたが、

先輩は偶然の出会いにも懸けていたのかもしれないな。

 

そんなことを思いながら走っていました。

 

 

 

 

 

オールドタウンは観光地でもあるので、
三連休で大賑わいでした。

 

観光地ですがアンティークのモールやディーラーが集まっているので、

毎回必ずと言っていいほど訪れています。

 

 

 

 

 

一軒目のモールへ。

 

ここは、のんびりした人が多くて、

三年ぶりなのにそれにはまったく触れてこずに、

今回は小物の買い付けなので車のサイズを小さくしたのですが、

「いつものでかいバンはどうした!!」と、
そこかい!って(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

↑買い付けたものの一部

 

 

 

日本語が聞こえてきたので、どうしても話しかけたくなったのですが、

アンティークが好きでいろんなモールを回るのが趣味だという

現地在住の方々でした。

 

お二人ともとても気さくで、話しかけたことを喜んでくれました。
情報交換も出来て、思いがけずの楽しいひととき。

 

日本語で喋る私を初めて見て、モールのオーナー氏がきょとんとしてました(笑)

 

 

 

なんだか思い出につられて

のんびりムードになった今回の買い付け紀行でしたが、

オールドタウンをくまなく回り、

さらに南へ行った農場地帯に点在するディーラーにも寄り、

内容はと言えば、なかなかハードな一日で、
そしてほっとするような出来高でした。

 

 

 

 

↑フロレンタインのこんな一台がありました。

蓋式になった天板を開けると、ドレッサーになります。

こんなの初めて見る・・・!

でもモノ自体が高いうえに、さらにこれを航空便で運んだら・・・・・

さすがにこの子に関してはコストのことを考えて涙を飲みました。

今回唯一の心残りです(笑)

 

 

 

↑おまけ

あるモールに出来ていたグロッサリーストア。

什器のビンテージを商品にしながらの贅沢な展示で

かっこよかった。

 

アメリカ買い付け紀行「19世紀の木馬を買った日」

5月25日。
買い付け二日目。

 

この日は車で1時間の町からスタートして、
フリーウェイ沿線に点在するディーラーに立ち寄りながら

帰って来るプラン。

 

15軒くらい回れたら・・と。

今回の日程の中では、いちばんの勝負の日です。

 

 

 

 

 

まずは小物を目指してアンティークモールへ。

 

前日のモールでは古道具多めだったのに対して、

こちらではエレガントなモノが多く見つかりました。

 

思えばKioを立ち上げた時から「バランス」をいちばん大事にしていたので、
良い滑り出しに。

 

 

 

次にフレンチ系のモノが集うディーラーへ。

 

 

 

 

オーナーがイタリア旅行中で会えなかったのですが、

アメリカに滞在している間、

イタリアの彼女とインスタグラムで何度かメッセージをやり取りし合ったことが

今回の思い出になりました。

 

LAのディーラー情報まで教えてくれて
(そこにはあいにく時間が無くて行けなかったのですが・・)、

バカンス中なのに親切にしてくれてとても嬉しかった。

 

ここのマダム達もですし、ブースも大好きなディーラー。

 

もう二度と来れないことはない筈なのに、
「またあの場所に行けるのかしら?

またあの人達に会うことが出来るのかしら・・・?」

何度もそうやって思っていたので、

駐車場に車を停める時からドキドキそわそわでした(笑)

 

モノは思っていたより見つからなかったので、

名残惜しい気持ちではあったものの、足早に次のディーラーへ。

 

長期の休業中だったり、閉業していたディーラーもあったりで、

3年のブランクを感じながら、

出国前にリサーチしてた時「シャビーシックの取り扱い」との紹介文に
楽しみにしていた新規のディーラーへ。

 

 

 

 

雰囲気は良かったのですが、雑貨店といった内容で、
こちらも足早に。

 

 

何軒か回っているのに、上手く買えていないことに気づく(笑)

 

ここで作戦変更。

 

一軒目のように確実なディーラーを

この後は回っていくことに。

 

 

すると、この後からは好調に転じてくれました。

 

 

ロマンチックなオイルランプとフェントンのキャンディポット&ホルダーが同時に!
テンションが上がりました。

(どちらもすでにご成約となっております)

 

 

 

 

 

そして19世紀の木馬三輪車が視界に・・・・!

 

 

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前日の運送会社さんとの打ち合わせで指南いただいた
「最大の背丈」をたぶん超えています。

コンテナじゃないのを初めて悔やんだ瞬間でした。。。

 

車輪、外せないかな?

横向きにするとか?

 

色々考えた末、

「えーい。もう超過料金でもいいや!」

ということで、買い付けることに。

 

「思い切ったことをする」

そういえばこの心構えでいつもやっていたんだったなあ。

こんなふうにして集めたモノ達が、お客さまに喜んでいただけた。

そんなことを思い出し、またアクセルを強く踏みたくなったのでした。

 

 

 

最後に行ったディーラーは、オーナーがチェンジしていました。

 

ショップと倉庫が一体になった、

広くて、ほの暗くて、静かな空間。

 

雰囲気はそのままに。

品物のテイストも、それに匂いまで以前と一緒でした。

 

家具メインの買い付けだったら、

ここも足早に去っていたのかもしれませんが、

しかし小物となると、どんどん掘り出せるのです。

 

「日本でリセールする」と言うと、

かなり良い条件にしてくれて、すごく有難かったですし、

 

時間を忘れて買い付けてたら

終業時刻をとうに過ぎてしまっていたのですが、

ディーラー夫妻は何も言わずに待ってくれていて、

それにも感謝の思いでした。

 

「昔、佐世保にいたことがあるんだよ。日本はとても美しい国だね」

 

車への積み込みの時に、旦那さんがそうやって言うので

またもや嬉しくなり。

 

別れ際には「アリガト!」と言って手を振ってくれました。

 

 

15軒も回れませんでしたが、
内容は納得のいくものに。

 

フリーウェイもスムーズに流れていて、

「木馬が乗ってるんだ!運送会社さん何ていうかな?」と思うと

笑みが勝手にこぼれてきて。

いい帰り道でした。

 

 

「そういえばジャカランダの季節だったなあ」と。

また写真時は青空ですが、ほんとに毎日曇りだったんです。。。

 

アメリカ買い付け紀行「ロッキーロードを越えて。古き良きモノに出会いに」

初日。

 

朝10時にロサンゼルス国際空港に到着。

 

 

↑レンタカー会社さんの送迎車を待っているところ

 

 

ちょうど渡航が決まった頃、

大量の移民が南の国境を越えて入ってきているという情報が

連日のように流れていたので、

イミグレーションでさぞや時間が取られるのでは・・と気がかりだったのですが、

 

審査のカウンターがフル稼働していたので、

スムーズに入国することが出来ました。

 

 

「よし!」

 

もし入国に時間がかかるようだったら

近場に予定変更しようと思っていたのですが、

計画通りに動ける。

 

空港(レンタカー会社さん)から1時間半の町へ出発です。

 

 

小物がいちばん多く見つかりそうなところ・・・ということで、

何軒かのディーラーが候補にあがったのですが、

 

今回は古い時代の道具やキッチン用品を集める目的もあったので、

そんなモノ達の出物がとくに多そうな場所を

まずは目指しました。

 

 

 

 

 

1時間ほど走ると、岩山が現れます。

 

「見えてきた、見えてきた!」

 

初回買い付けから18年、

行くほどにこのアメリカのロッキーロードが好きになり、

「ここを走るのが人生」みたいになっていたので(笑)、

久しぶりの走行に長旅の疲れも飛んでいきました。

 

 

 

目的地のアンティークモールへ到着。

 

小物が多く買えるのはアンティークモールなので、

今回はこれまででモール率がいちばん高かったです。

 

経験からなのか、

面白いものでモールの扉を開けると

大漁なのか不漁なのか、まあまあなのか・・

何となく分かるのですが、

開けた瞬間に「ある!」とセンサーが働き、

何も買わないうちから「ありがとう、ありがとう」と

お祈りのように唱えていました(笑)

 

 

モールのマダムがお水のボトルを二回差し入れてくれて、

水分補給しながらだったこともあってか、

いつまでも動き回っていたい気分でした。

 

買い付けは本当に楽しい・・・・・

 

 

 

 

 

 

ここのモールにある古道具のブースを念頭に置いてきた甲斐あって、

このブースだけでも色々と集めることが出来ました。

 

 

 

 

ここ二~三年でお菓子作りをよくするようになり、

「材料を混ぜ合わせるのに、陶器のボウルが欲しいな」って

ずっと思ってたんです。

 

ずっしりした陶器ボウルの方が安定してて混ぜやすいし、

陶器だと道具の当たりがいい。

そして見た目もいい!

 

プロだと日々のことなので扱いなど不便がありそうですが、

趣味で作るぶんにはとっても優れモノなんじゃないかなって。

それで自店でも手掛けてみたくなったのです。

 

そんなわけでバイイングリストに載ったアンティークの陶器ボウル、

さっそく数点ほど手に入り、

順調な滑り出しにも嬉しくなりました。

 

 

 

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聖人達の像も!

 

 

 

 

 

今回の買い付けでいちばん残念だったのが

吊り下げ型の照明がぜんぜん集まらなかったこと。

 

思えばこの兆候は以前からあったのですが、

けっきょくここで買えたステンドグラスのペンダントと

あと一台のみの収穫でした。

 

オイルランプ型の吊り下げランプなんかあれば最高だったのですが。

 

その代わり、オイルランプ型テーブルランプが何台か見つかったのと、

アラジンの本物のオイルランプとの出会いがありました!

 

 

 

↑ずっと曇りだったと前回書いたのに、なぜか写真の時だけ青空、、(笑)

 

 

午後からのスタートでしたし、

運送会社さんへの挨拶もあったので、

初日は一軒でおしまいに。

 

シートベルトを締めて助手席に座る聖人達の像が

帰り道のお伴になってくれました!

 

アメリカ買い付け紀行「久しぶりに旅に出て」

5月24日から31日までアメリカ買い付けでした。

 

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三年ぶりです。

 

初めてのコンテナを使わない=家具を買わない買い付けでしたので、
どうなるだろうと心配もあったのですが、

 

いざ蓋を開けてみると

手掛けてみたいモノが行く先々で沢山あり、
予算分しっかりと集めることが出来ました。

 

 

↑目的のひとつだったテーブルウェアも順調に集まりました。

 

 

逆に家具(Kioで買い付けられそうな)が、

びっくりするくらい少なかったです。

 

家具のディーラーは回らず、

小物が見つかりそうなところを目指していったので、

当然と言えば当然だったのかもしれませんが、

 

でも、いつもだと素敵な家具がいっぱいあるところや、

スペシャルなモノが一台二台見つかるようなところも、
どういうわけか家具に関しては品薄だったり皆無に等しかったりして、

 

もしコンテナだったら上手くいかなかったんじゃ・・と何度も思う場面ありの、

久しぶりの買い付けは、そんな回でありました。

 

 

さて、ここでいったんお知らせです。

 

今回は手荷物以外の商品を航空便で送りましたので、

なんともう明日入荷してくることになりました!

 

何時に届くか分かりませんが、明日は開梱にあてて、

それから金曜土曜とお休みをいただいて店づくりをする予定です。

 

11日日曜日からのお披露目となります。

もしお時間ありましたらぜひ遊びにいらしてください!

HPにも出来るだけ毎日アップをしていきたいと思っています!

 

 

カリフォルニアは土曜日以外ずっと曇り空で、

日本よりも気温が低く、
持って行った半袖は一度も着れず終いでした。。

 

 

いつも滞在するダウンタウンLAのホテルが

円安もあってどこも高かったので、

「イースト」と言われるサンガブリエル~ローズミードのエリアに泊ったのですが、

静かな住宅街なのに、

大通りにはアジア系の飲食店が軒を連ねているという

ちょっと面白いところでした。

 

名前は「ハワイ」なのに、入ってみるとアジア食材の専門店だった、

そんなスーパーマーケットもあり、

「安い!」と、思わずクコの実やドライ台湾フルーツの大袋を買ったりして(笑)、

ヨーグルトに入れて食べたりしていました。

 

 

 

 

今回アメリカは三連休があり、

運送会社さんもその間はお休みだったので、

夕方倉庫に行かないだけで

仕事が終わると「ああ今日も一人で動いてたなあ」って感が強く、

 

そして車や人通りの少ないイーストの町のホテルに帰ってくると、

こんどは朝からの移動移動の一日が嘘みたいに思われてきて・・・・・

 

 

久しぶりだったからかもしれませんが、

なんだか一週間だけ・・それなのに長い・・アメリカ暮らしをしていたような、

不思議な感覚が今も残っています。

 

 

 

 

買い付け紀行、ゆっくりペースになるかもしれませんが、

次回からは買い付けの様子も綴っていきたいと思いますので、

またよろしければお付き合いください。

 

ありがとうございました!

 

 

買い付けこぼれ話 2019年9月ロサンゼルスにて

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今日HPにアップをした油絵。

 

 

 

前々回なので、

9月の買い付けになるんですね、

そのときにハリウッド界隈で出会ったものです。

 

 

サンセット大通り沿いに

馴染みのビンテージディーラーがあるのですが、

LAの明るい光りが差し込むウィンドウに

この絵は飾られていました。

 

 

 

 

見た瞬間、

「Kioにぴったりの色だ!」と思いました。

 

そして、買い付けられたらいいなあって。

 

 

お店の奥の壁、入り口、床の上・・・・、

ディーラーにお願いして

絵を色んな場所に移して見せて貰ったのですが、

 

どこで見てもやっぱり素敵で、

ディーラも、それにその場その場で居合わせたお客さんも、

「色が好き!」と口を揃えて言っていました。

 

 

 

ずい分と前のことなのですが、

 

ネットショップの常連のお客さまで

「ぜんぜん必要じゃないし、探していたものでもないのに、

どうしても欲しくなってしまう物がときどきアップされるんですよねぇ。

それでそんなときは、悪あがきでとりあえずその子のアラ探しをしてみるんです。

でもけっきょくはお願いすることになっちゃうんですよねぇ。

岡田さん、困ります!」

なんて、電話口で笑いながらおっしゃっていたことがあったのですが

(ごめんなさい。。。)、

 

私も買い付けのときに、まさに同じようなことがあります。

とりあえずアラ探しをしてみるという心理が、とくにそっくり(笑)

 

この絵も、Kioの商品としてぜったい必要だったかというと

そうでもなかったと思うのですが、

どうしても欲しい気持ちになりました。

 

アラ探しもしてみました(笑)

(もちろん前述のお客さまもそうですが、

本気でアラ探しをするわけではなくて、

買わない材料がひとつでもないか・・

要はいつもしている状態チェックと同じことなのですけれど。。)


 

 

そうやって色々悩んだり?して行き着いたのが

この絵を買ったら未来のKioに繋がっていきそうだし、

健全な気持ちにもなれそうっていう答えだったんですね。

 

 

 

それにしてもLA、懐かしいような気持になります。

 

みんな元気かな。

 

早くロックダウンが解除されますように!

 

 

 

 

 

 


 

アメリカ買い付け紀行『ある日オールドタウンで』

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すっかり間が空いてしまいました、、、、、

 

コンテナもとうに出港しているというのに、

買い付けの記事がまだ一話しか書けていなかったですね、、、

 

色々なエピソードがあったのですが、

今日振り返ってみていちばん頭に浮かんでくることを記録して、

今回の買い付け紀行はこれにてお終いといたします。。

 

 

 

 

 

 

ある日。

 

ロサンゼルスから車で二時間弱のオールドタウンへ。

 

途中、時速100キロ以上で走っていても通り過ぎるのに30分はかかる

広大な農場地帯の景色を楽しみながら向かいます。

 

 

そうやって走ってきて突如として町が姿を現すからなのか、

それとも町の様相をしていてもあまりにもひと気がないからなのか、

何度訪れてもオールドタウンは、到着するとシュールな気分にさせられます。

 

 

その気分は滞在中も続きます。

 

ディーラーが引き継いだヒストリックな建物が、

もとはデパートだったり、映画館だったりするからなのかもしれません。

 

古き佳き時代のアメリカの、

当時の気分が、

無垢の真鍮が手すりになった階段や、

低い天井の映写室跡や、

贅を凝らしたファサードなどに染みついているからなのかもしれません。

 

モノにもだけれど、

私は人間ドラマにも興味があるのだなあって思います。

 

 

もとデパートだったアンティークモールには

当時のものをそのまま残したダイナーもあります。

 

売り場との垣根は腰ほどの高さの鉄柵なので、

ここだけはいつも賑わいを見せるダイナーが(それもまたシュールで。。)

買い付けをしながら眺められます。

(写真を撮れば良かった。。)

 

 

50年代というのは何かがある気がする(笑)

(そんなこと言えば、20年代~60年代くらいまでもだけど)

 

陽気さの中に潜む暗さ。

でもやっぱり愛があって・・・・。

 

そんなスティーブン・キングの小説的な気分も味わいながらモールをまわっていると、

棚に並ぶビンテージのホーローやミルクガラスのキッチン用品からもまた

とんでもなくリアルな存在感が感じられるのでした。。

 

 

そんななか買い付けたブレッド缶。

 

 

 

 

本文と写真があまり上手く関連づいていませんが、、

こんなビクトリアンの2シーターも見つかりました。

 

 

 

インスタグラムでも同じことを書きましたが、

このソファを見ていたら映画『ある日どこかで』を思い出して、

タイムトリップしたみたいな、やはりシュールな気持ちになりました(笑)

 

 

映画館跡のモールでは、

オーナーのまだ9歳くらいのお子さん(女の子)が

レジの手が離せなくなったパパに代わって

車への家具の積み込みを手伝ってくれました。。

 

どれも軽くて小さい家具4点ほどだったので、

「いいよ、いいよ」と断っているうちに終わってしまい。。。

 

さいごに「メリークリスマス」と声を掛け合ってお別れ。

 

 

 

ハートも荷台もいっぱいになって

シュールなオールドタウンを後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行第一話と、年の瀬のご挨拶

12月19日から26日までアメリカ買い付けでした。

 

 

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日本をそんなに留守に出来ない・・・

でも在庫的に来月に繰り越すことも出来ない・・・・

今回そんな状況だったため、いつもより2~3日短い日程で組みました。

 

そんななか、予算はいつもと変わらず。

 

果たしていつも通りモノが集められるか・・・・

 

さすがに不安もありましたが、

今回運よく家具の放出が多く、

納得のいくモノを予算分買い付けてくることが出来ました。

 

欲を言えば、いつもくらい時間があれば

ガーデン関連など、主力商品以外のモノも丁寧に探すことが出来たし、

せっかくホリデーシーズンの真っ只中だったのに

クリスマスのモノもゆっくり見れなかったなあ・・・と、

心残りはそれくらいです(でもけっこう残念でした・笑)。

 

 

 

↑クリスマス色で溢れた町には、おおいに癒されたり元気を貰いました!

 

 

 

 

初日、買い付け紀行ですっかりお馴染みになった、

しかめっ面のマダムのウエアハウスへ。

 

 

 

こちらのトールペイントのコモードが今回の買い付け第一号になりました。

フロレンタインの大ぶりな子です。

 

出会った瞬間、夢見心地の気分にさせられました。

(時差ぼけや、マダムのしかめっ面を差し引いても。。。)

 

 

それで、“夢見心地”という感情やワードを

そのあとの買い付けの間じゅう、ずっと意識することになったんですね。

 

同時に、昔に作られたモノはどうしてこうも素敵なモノばかりなのだろうって、

これは常日頃から思っていることなのですが、

そんなこともいつも以上に思ったりもして・・・

 

 

するとあるときふと出てきた自分なりの答えが、

昔は夢見心地な気分になることもとても大切にしていた時代で、

モノ作りにおいても、そんな想いが反映されていたんじゃないのかなって。

 

 

こういうの(夢見心地な気分になること)って、

無駄なことだとはけっして思わない。

 

むしろこれから先の時代には

また大切なこととして揺り戻してくるんじゃないかな。

 

じっさいそんなムードは、もうだいぶ前から生まれてきていますよね。

 

 

 

買い付け紀行、まとめみたいな初回になりました。。。

 

 

そしてお話まで逸れてしまいますが、

Kioの年内の営業、昨日がラストでした。

 

この一年も皆さまからの沢山のご愛顧、

本当にありがとうございました。

 

 

今の世の中のことも(たとえば使い捨ての文化のことだったり)、

じつは(じつはというのもアレですが・・)いつも考えています。

夢見心地な気分でいることと同じくらいに(笑)

 

お客さまともよくそんな話題になります。

アンティークの話をしていると、その流れで自然となっていく感じです。

 

自分がやっている商売だから贔屓目に見ているわけではないと思う(笑)、

何か紐解く物が、この素敵なモノたちのなかに、それを通した事柄のなかに、

あるように思うのです。

 

 

 

 

 

来年もKioをどうぞよろしくお願いいたします!

 

そして皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください!

 

 



 

「アメリカ買い付け紀行」と「お知らせ」

 

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まずはお知らせから。

 

 

今回のコンテナ、

本日無事に通関許可が下りまして、

あさって23日水曜の荷受けとなりました。

 

つきましては、

いつものようにしばらく準備でお休みをいただきまして、

お披露目は、29日火曜からとなります。

 

当初は今週末に間に合わせる予定だったのですが、

台風の影響で遅れが出てしまいました。

 

店頭やメールなどでお伝えさせていただいた皆さま、

こんなことで遅れてしまいますこと

お詫び申し上げます・・・

 

 

 

さて、今日も買い付けの断片を・・

 

ときどきこの買い付け紀行に登場する

いつも喜びをしかめっ面で表現する(笑)ディーラーのマダムから

エドワーディアンのビューローキャビネットを買い付けました。

 

 

 

 

 

買い付けるにあたって

まず価格面でのハードルがありました。

 

しかしこれは、マダムがビューローのオーナーに電話で掛け合ってくれたお陰で

(このビューローはマダムが委託販売をしている品でした)、

何とか日本で販売出来る金額になりました。

 

(マダムは受話器を片手に、しかめっ面で親指を立てて、

こちらに交渉成立のサインを送ってくれました)

 

 

次に状態。

 

キャビネットの中は布張りになっていて、

かなり傷んでいました。

何しろ19世紀の布です。

 

けれどこれに関しては

「自分だったらこのまま使いたいな」と思えるような

そんな風合いでしたし、

 

それに張り替えが出来るので、

お客さまにまずこのままの状態でお見せして、

張り替えご希望ならそれに応じればいいので、

とくに問題はないと思いました。

 

 

いちばん気になったのが(細かく言えば色々ありましたが)、

サイドパネルの裾に入ったクラックでした。

 

正直、無かったらどんなに良かっただろうと思いました。

 

でも、“この一台”なのです。

 

たとえば18世紀の宮廷家具ほどには希少&貴重品ということではありません。

自宅で使っているひともいるでしょう。

けどそれでも、ミュージアムやアンティークの本で見る機会のほうが多い一台です。

それがいま目の前に、手の届くところにある。

 

いや、というよりも何よりも・・・・、

ただただ、この家具は何て可愛らしいんだろう、素敵なんだろうと、

だから欲しいと思った。

 

「これがKioをまた変えてくれるような気がする」

 

もちろん、ただKioかわいさのことだけではありません(笑)

 

これが入って、Kioが面白くなることで、

最終お客さまに喜んでいただける。

 

新しい試みをするときにはいつも頭に浮かぶことを

この時も強く思いました。

 

 

決断に長くかかりましたが、

そばで見守ってくれていたマダムに買う旨を伝える瞬間の嬉しかったこと。

 

そしておそらく私と同じように嬉しかったはずのマダム。

「Yeah Yeah!!」と言ってくれましたが、

その表情はやはりしかめっ面だったのでした。。。

 

 

 

↑マダムのウエアハウスの一角

 

 

ビューローも他の子たちも、

明日、無事に届きますように!

 

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行『お宝ハンターとの出会い』

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内陸の町から帰った翌日は、

LAから一時間ほどの町へ。

 

 

「マダムたちのフリーマーケット」で知り合ったディーラーたちのウエアハウスが集う界隈もあり、

彼女らお得意のフレンチでシャビーな品揃えにもですが、

夢やパワーがいっぱいのマダムたちに会えるのが嬉しくて、

このところの買い付けではいちばん楽しみにしている町。

 

 

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「買い付け前日の日記」で、

テキサスにサルベージに行ったマダムがいると書きましたが、

彼女がいるのもここ。

正確には、あるアンティークモールに間借りをしています。

 

まずそのモールへ向かいました。

 

 

今回はここでの出来事に焦点をあてたダイアリーです。

 

 

 

しかし彼女のブース、

確かにインスタグラムに投稿されていたテキサスでの戦利品があるにはあるのですが、

申し訳程度というか、

これはブースの内装なのよ・・と言わんばかりの量なのです。

 

 

 

 

 

 

彼女もいませんし、

モールのオーナーもこの日はお休みを取っていて、

事情の分かるひとはいませんでした。

 

 

おかしいなあ・・・・・

 

期待が大きかっただけに気持ちがしぼみましたが、

それでもモールには素敵なアンティークやビンテージが沢山で、

いつも通りの感じで、良い買い付けが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑集まったモノのいちぶ

 

 

買い付けアイテムたちをモールのみんなと一緒に積み込み始めたところに

ピックアップトラックに乗って二人組の男性がやって来て、

こちらに気づくと、「任せて」と言って私たちに代わり(何しろ女性ばかりだったので。。)

手慣れた様子で残りの品々の積み込みをやってくれました。

 

 

そして積み込みが終わると

トラックの荷台から古びた板片を二枚を持ってきて、

「こんなのもし好きだったら、あげるよ」と言うのです。

 

100年はとうに経っているかと思われる、古い古い板。

風や雨ざらしにもなったようで、灰色に変色をしていて、年輪がすっかり浮かび上がっています。

 

好きじゃないひとにとってはたぶんただの廃品にしか見えない板・・・、

でも私にとっては宝物です。

 

嬉しくいただきました。

 

 

でもこのひと達、ここでは会ったことないけど、誰なんだろう?

今度新しくブースを出すディーラーなのかな?

 

そう思っていると、

「テキサスの古い納屋を解体した時に出てきた壁の板のほんの一部なんだ。

これと同じのがあと2000枚、倉庫にあるんだよ」と。

 

2000枚にも驚きましたが、

あれ?、テキサス??、と・・・・・。

 

そして次に、

「こんなのもサルベージして来たよ」と言って、

スマートフォンの画像を見せてくれたのですが、

その画像に写っているモノ達、どれも見覚えのあるモノばかり・・・・

 

「もしかして、Mの・・・・」

 

そう、彼らはテキサスに行ったマダムMの旦那さんとその相棒だったのです。

 

 

どうやら戦利品のほとんどは倉庫に置いてあるのだそうで、

(モールにはいちぶだけ展示して、月末に倉庫で販売会をするのだと言っていました)、

「いつでも倉庫に見に来てくれていいよ」との嬉しい申し出。

 

倉庫は農場の納屋を再生したもので、

広い敷地には昔のガスポンプがずらりと並んだ様子が画像に写っていました。

 

マダムMがここまでの規模でやっているとは想像もしていなくて

(インスタにも倉庫の写真はなかったので)、

思わぬ展開に飛び上がったのですが、

彼らの倉庫はこの町からけっこう離れており、

そこまで行って買い付けをするには、あらためて出直す必要がありました。

 

 

以前のダイアリーで、

「廃墟お宝ハンター」のジェイ(アメリカのテレビ番組)のことを書いたことがありました。

 

Mと旦那さんとその相棒は、まるでジェイのチームそのものでした。

 

サルベージのお話ももっといっぱい聞いてみたかったし、

それらが今眠る古い納屋がどんなだか見てみたい気持ちでいっぱいでしたが、

 

しかし、あとの日程はどうにも変更がならなくて、

「じゃあまた今度」ということになったのでした。

 

 

買い付けも15年目に突入しましたが、

毛色の違うルートが増えてこれからがまた楽しみですし、

 

なんだかとても面白いところ(国)で買い付けが出来ているんじゃないかなって、

あらためてそんなふうに思えてきました。

 

 

 

↑マダムMのブースの一角

ミラーを嵌め込んだ大窓もテキサスからのサルベージ品

 

アメリカ買い付け紀行『19世紀の家具と内陸の町』

 

 

内陸の町。

一日目。

 

14軒のディーラーをまわりました。

 

 

大方のディーラーがひとところに密集してくれているお陰もあって

それだけの数をまわることが出来たのですが、

 

9月のカリフォルニアは下手をすると8月より暑いことが多く、

ちょうどこの時もそうで、

動き続けていたせいか

買い付け先では冷房がきいていても汗がやまず、

しかも「ぜんぶまわりたい」と思うばかりに勇み足にもなっていて、

なんだかどこのディーラーに行っても一人だけ浮いたような感じでした(笑)

 

 

あるアンティークモールでは

すごい早さでブースをくまなく見て、

気に入りがあると廊下まで持ち出して四方から眺めたり写真を撮ったりしている私を見て、

「彼女はアンティークがよほど好きに違いない」と、

私の耳にも届けたかったのか、大きな声で話す家族連れまでいました。。

 

 

 

↑前列の彼らです。

モールオーナーと一緒に最後に記念写真。

 

 

「あなたはインテリアデザイナーなの?」

アメリカでは女性ひとりでアンティークをいっぱい買っていると

みんなまずそうやって思うのかな?、

よくそう聞かれるのですが、

私が顔を向けると、この家族の奥さんが同じことを聞いてきました。

 

「日本でアンティークの店をやっている」といつものごとく答えると、

旦那さんが50年代の日本のおもちゃのコレクターなのだそうで、

出会いをいたく喜んでくれました。

 

「日本のきみの店に買い物に行くよ」と

冗談でそんなことも付け足してくれて。

でも嬉しかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この町で集まったモノのいちぶ。

 

 

暑いこともあってなのか、

先の家族もですが、他のモールで居合わせたひとや通行人のひとも

ディーラーにまじって車への積み込みを手伝ってくれました。

 

こうやって買い付け画像を振り返っていると、

その時のことが思い出されてきます。

 

 

 

二日目は、朝から大移動。

 

 

 

 

一時間半離れた、別の内陸の町へ。

 

 

 

 

 

 

あるモールがヒットで、

画像の真ん中のリビングボードをはじめ

一軒にしてはなかなかの量を集めることが出来ました。

 

リビングボードは1800年代後期に作られたもので、

リアルアンティークです。

 

出会えて、そして自分が買い付けることが出来たことに興奮。。

 

すると隣のアルモワールまで欲しくなってきて。。。

 

 

 

 

私が何も言わないうちからモールのマダムがブースオーナーに掛け合って

日本で小売り出来る金額にまでしてくれたのですが、

 

この大きさ・・・・・・・

 

売れる売れないではなかったし、

店内のスペースだって作ることだって出来る、

 

でもこれを基本的には私と夫のふたりしかいないKioで・・

というか厳密に言えば、ふたりしかいない内のひとりは女性のショップで、

この分厚い鏡を扉に嵌め込んだ巨大な家具を、扱う・・

・・最終お客さまのところまできちんと届ける・・ことに対しての自信が

今は持てなかった。

 

“壁”を感じた瞬間でした。

 

でも乗り越えたい、今後の課題ですね。

 

 

このモールでも、

腕を怪我したマダムに代わって、ここのお客さんが積み込みを手伝ってくれました。

大感謝です。

 

 

 

 

 

珍しいところではこんなアンティークのファイヤーピースが見つかったりして、

この後も順調にモノが集まりました。

 

もう汗も埃も、おかまいなし!

どんと来い!です!

 

 

二日間の買い付けということもあり、

車の荷台は、はちきれんばかりになりました。

 

 

 

帰り道。

 

暑さは前日の夕方と比べるとだいぶ和らいでいました。

 

 

2019103184817.JPG

 

 

休憩で立ち寄った牧場に面していて景色のいいレストアリアでは

メープルがすっかり色づいていて

暑さに反して早い、カリフォルニアの秋を目で感じました。