2018年5月
買い付け前日の日記
明日から買い付けです。
前回は、アリゾナまで大きく移動したことで成果があがりました。
「それならば、次はサンフランシスコに行ってみよう」と思い、
計画を立てていたのですが
(LAからだと、アリゾナに行くのとサンフランシスコに行くのと、
だいたい同じくらいの距離です)、
前回タイミングが合わなかったアンティークディーラーのイベントが
今週末からフェニックスでおこなわれることが分かり、
今回もアリゾナ~カリフォルニアのルートでの買い付けの旅となりました。
(何人かのお客さまに「次回はサンフランシスコですよ~」とお伝えしておりましたが、
そんなことで変更となりました。。。)
ところで、前回の買い付け紀行で、
「アリゾナには思ってた以上にフレンチ系のディーラーが多く、
ここ数年の傾向なんじゃないだろうか・・」と書きましたが、
ちょうど帰国して数日後に見た経済番組だったかで、
「アリゾナを第二のシリコンバレーに」との合言葉で、
なんでも今、フェニックスに起業や移転をするIT企業がすごく増えているとのことを
報じていました。
土地が高騰したカリフォルニアにかわる場所ということで、
カリフォルニアからの地の利もいいフェニックスに注目が集まったらしく、
すでに「シリコン・デザート(砂漠)」との呼び名もあるのだそうです。
アリゾナのアンティーク市場がホットだったのも、
それとは無関係ではないんじゃないかな。。
そう思って、今回も良い出会いに期待をしているところです!
カリフォルニアでも新たに、
寒いと雪が降るような山の中にもかかわらず、
フレンチ系のディーラーが急増中のエリアがあるのを知り、
足を運んでみようと思っています。
ここも楽しみ・・・!
しかしなぜ、そんなエリアに集まったんだろう?
話が膨らみますが、
名古屋時代からのお客さまで
白山町にとても興味をもたれている方が先日おみえになり、
「ここにお洒落な雰囲気の店が増えていったら面白い」、
そんなようなことをおっしゃいました。
ちなみにその方も、
そんな店の一員になることを思い描かれることもあるみたいで・・・・、
「そうなったら、もっと喜んで貰えることが出来そうですね!」と
盛り上がっておりました。
Kioを続けることで、
色んな角度から楽しいことのお手伝いが出来たり、
こぼれ種みたいにもなれたら嬉しい。
そんな夢にだって、
いっかいいっかいの買い付けをしっかりやることで
繋がって行けるんじゃないかと思う。
きっとまたそそっかしいことの
ひとつふたつがありそうですが(苦笑)、
帰国後に買い付け紀行で綴っていきたいと思います。
それでは、行ってきます!
マダムとフロレンタインのデスク
この間の水曜日は、名古屋へお届けに。
お持ちしたのは、フィレンツェのデスク。
そしてお邪魔したのは、
何度かダイアリーにご登場いただいたことのあるマダムのお家です。
フロレンタイン(フィレンツェの家具や工芸品)を、いくつかお使いのマダム。
デスクにもずっと想いを馳せられていて、
Kioが名古屋にあったころから頭のなかのイメージをうかがっていました。
そして二月の買い付けで見つかったこの子、
さいしょのイメージよりも小ぶりでしたが、
かえってこのサイズ感を気に入っていただき、
マダムとのご縁となったのでした。
Kioのお客さまにもファンの多いマダムのお家。
なかでも人気の「ファッション画のあるお部屋」。
マダムは今回ソファを動かして、
ファッション画のしたにデスクを配置される構想でした。
このダイアリーでなんども書いている気がしますが、
モノを単体で見たり味わったりするのも
もちろんとっても好きなのですが、
それ以上にもっと好きなのが、
「モノとモノを組み合わせることによって生まれた素敵な風景」・・・
・・・つまり、素敵な部屋が大好きなんです。
なので、この空間にフィレンツェのデスクを入れたところに立ち会えること、
朝からドキドキでした。。
・・・でもその前に・・・・・
アトリエに入れるとどんなふうだろう!と、
まずは楽しい試みを。
あらかじめ、スペースを空けて待機してくれていたマダム。
なんだかギャラリーの設営みたいで、エキサイティングでした!
そして、本番。
「あらかじめ測ってみたら、色々とぴったりだったの」とのことで、
ひとまずはソファとデスクと入れ替えただけにもかかわらず、
いきなりこんなに素敵になってしまいました。。。
大喜びされるマダムの傍らで、ぼーっと言葉をなくしてしまった私でした(笑)
ソファはアトリエに移動する予定でしたが、
思いがけずお部屋のコーナーにしっくりとおさまり、ここが定位置に。
ここは和室をリフォームしたお部屋なのですが、
障子を残されたことが絶妙の雰囲気や空気感になっているようにいつも思います。
↑写真を撮るマダムを撮る。。。
冒頭の写真は、この続きです。。
模様替え前の様子。
ふすまに張った鏡が、楽しい効果を発揮していました。
Kioを立ち上げてすぐのころですが、
店に遊びにきてくれた学生時代の友達が、
「私もマダムビンテージやりたかったんだ!なんか嬉しい!」と言ってくれたことがありました。
マダムビンテージ。
聞き慣れない言葉でした。
たぶん彼女が作った言葉なんじゃないかなって思うのですが、
だけどその言葉は何かとびきりなものをひと言で表しているように聞こえ、
以後、ずっと頭に残ることに。
マダムのお部屋を見ていると、
私のなかで素敵な意味として定着した
「マダムビンテージ」という言葉が浮かんでくるのです。
おまけ。
お部屋づくりのあと、マダムがご近所の美味しいイタリアンに連れて行ってくれました。
マダム、今回もどうもありがとうございました!
最後にマダムのインスタグラムをリンクします!
https://www.instagram.com/eimieko/
菰野町 Nちゃんのお家
御在所岳のふもと、
三重県菰野町。
最終的に縁があったのは白山町でしたが、
移転を決めた最初の一年間くらいは
ずっとこの町で土地や物件を探していました。
白山の里山風景とはまた違って、
標高の高い御在所が背後にそびえるからか、
きりりとした表情や空気感のある素敵な町です。
そんな菰野に、姉の幼なじみNちゃんが暮らしています。
今日はNちゃんのお家へのお届け日記です。
Nちゃんといえば、
以前にKioに来てくれたときのことを
このブログでご紹介させて貰ったことがあります。
家にお邪魔するのははじめて。
レンガの壁の平屋と聞いていたので楽しみでしたが、
やはり素敵なお家でした。
ご主人のお仕事の関係で、アメリカ暮らしの長かったNちゃんファミリー。
このお家は、アメリカで住んでいた家を再現して建てて貰ったのだそう。
その想いや熱意に打たれました。
しかし、レンガは都市にも田園風景にも良く似合いますね。
お邪魔したときはまだ寒い時期だったのですが
(Nちゃん、公開が遅くなってごめんなさい。。。)、
いま花壇では色んなお花が咲いているみたいです。
さて、
Nちゃんは「ゆったりもたれかかれる自分用のソファ」を探しにKioに来てくれたのですが、
この子にひと目ぼれ。
「玄関にぴったりかもしれない」とのことで、
ウェルカムチェアとしてお求めいただきました。
いざお届けしてみると、雰囲気も、それにサイズもほんとにぴったり・・・!
「ここでお茶を飲んだり、お客さんと談話も出来る」と、
玄関ホールの活用の幅も広がって、Nちゃんは大喜びでした。
私も名古屋時代のマンションのとき、
キッチンに脚立かわりにスツールを置いたことがあったのですが、
そこでパスタを茹でる短い時間や、ふとしたときに腰をおろして、
キッチンの窓から通りをぼんやり眺めたり、エッセイを読んだりと、
変わらぬいつもの我が家で
ささやかな・・でも至福の楽しみが出来たのが嬉しかったことを思い出しました。
そして、こちらをパーソナルチェアに。
座り心地をまず気に入ってのお求めでしたが、
古き佳きアメリカの感じがする花柄模様に「ああ・・・・」と、
懐かしそうにしながら喜んでくれました。
Nちゃん、ゆっくり寛いでくださいね!
お家にはアーミッシュから買ったという手作り家具や、
大きなダイニングセットなど、
帰国するときにアメリカから輸送したという家具も色々とありました。
アメリカで買い付けをする私には、とくにアーミッシュの家具は興味深かったです。
(写真を取らせて貰えば良かった。。)
Kioからの子たちも、
思いがけずアメリカの空気感のなかに身を置けることになって嬉しかったんじゃないかな。
そしてNちゃん、
「アンティークは出会いなんだね。
まず出会いがあって、出会って好きになったのをどう家に当てはめていくか。
そこが・・・、その順序が面白い」と、
正確にはもっと違う言い方でしたが、そんなふうなことを言い、
私にも面白く新鮮に響きました。
Nちゃん、どうもありがとうございました!
また白山町でもお待ちしていますし、
それに菰野にもまた遊びに行かせてくださいね~。
*ちなみに冒頭の画像は、私が菰野でいちばん好きな場所・・というか風景です。
あの杉並みのところにアンティークショップを携えたコテージがあればなあと妄想しておりました。。。
当然ながら調整区域でしたので、妄想は妄想のままで終わってしまいましたが(笑)
古い古いキング&クイーンの椅子
三月のコンテナに載ってやってきた椅子。
ディーラーによると、
100年ほど前のイタリア製とのこと。
(100年でも充分すぎる古さですが、それどころではないように私の目には映ります)
「エインシェント」と言えばいいのか・・・・・
うまく当てはまる言葉が見つかりませんが、
とにかくこの長い年月を経たことで生まれた質感や気配に惹かれて買い付けてきました。
Kioで扱っているその他の商品に比べると年季が入りすぎていて、
何ていうか“足並み”が揃いそうもない気がした。
それでどうしようか悩んだのですが、
「たとえ販売しなくても、Kioに来て欲しい。
これが店のどこかにあるだけでも、HPの背景にぼやけて写っているだけでも、
古い扉が素敵な雰囲気を醸し出してくれるように、
この椅子たちもきっとそんな存在になってくれるはず・・・!」、
そんなふうに自分を納得させました。
そして、その場でも誰かと気持ちを分かち合いたくなったのですが、
誰かと言ってもディーラーのマダムしかいないので
マダムに「ただあるだけでいいですね」と、椅子への思いを伝えると、
マダムも「わかる」という言葉のかわりに深々と頷いて・・・・・
もう椅子たちを置いて日本に帰ることなんて出来なくなったのです(笑)
それぞれ背丈と装飾が異なります。
マダムはこちらを、「男性」と言いました。
そして、こちらが「女性」だと。
「キング&クイーン?」 そう訊くと、
「ええ、それでもいいわね」とのこと。
さて、それで、彼らが入ってきてからのお客さまの反応も気になるところだったのですが、
思いのほか(というのも、好みが分かれるだろうなと思っていたからです)、
皆さま目を留め、「これ、すごくいいですねえ」「うわ、すごい・・・・」と、見入っていかれます。
それだけでとっても嬉しくて、買い付けてきてほんとに良かったと思います。
漆喰の壁に静かに配してあげるといいと思うのですが、
なかなかKioではそんなスペースが無いのが残念なところ。。
(写真は、外扉の前で撮りました)
それにしても、古い扉だったり、こんな椅子だったり、
風化したものに魅力を感じるのはどうしてなんだろう。
この椅子などは、革の破れたところから中の詰め物の木毛が垣間見れるところもあって、
本造りの家屋の板塀から、藁をまぜた土壁が顔を覗かせているような風情があります。
きれいな夕陽や絵画などを見ると心を“打たれ”ますが、
古びたものはそれとはまた違って、心に“ひっかかる”何かがあるように思う。
でもそれぞれ、本質的なところでは繋がるものがあるんだろうな。
椅子は「欲しい方、きっといると思いますよ」とお客さまも言ってくださいますし、
値段をつけて展示をしています。
HPにも載せたいのですが、革の破れ箇所とか具体的に挙げるのは困難ですし、
この椅子はこれで良いはずなのに、
正確に明記したことで、すごい欠陥品みたいなことになってしまいそうで、
それでは椅子に申し訳ないので(笑)、
掲載は見送ろうと思っています。
もしご興味ある方いらっしゃいましたら、お気軽にお問合せくださいね!
近いうちにも、商品ページの背景に登場して貰おうと思っています!