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2023年4月

椅子職人さんの工房で出会ったアンティークのスツール

先日HPにアップをしたスツール。

正統派なのに、チャーミングで、
そんなところが自分としては好きです。

 

202332515330.jpg

 

 

出会いは、思いがけないところにて・・・・・・

 

商品の椅子を張り替えるにあたり、
複雑な工程を要するものでしたので
職人さんにお願いすることにしたのですが、

いつまでも名古屋時代の職人さんにお願いするのも行き来が大変ですし、
それで地元の職人さんを探すことにしたんです。

 

インターネットの情報をみていて、
直感で「ここだ」と思うところがありました。

住所は四日市。
Googleマップで見てみると、
70年代のレトロモダンな外観が現れ・・・・

そこは昔から何度か前を通ったことがあり、
そのたびに「なんかいい感じだなあ」って思っていたところだったので
少しびっくり。

そして「ご縁があったんだあ。
子供の頃から知ってたのに(三重生まれ)、今になって・・!」と、
嬉しくなったのでした。

 

ずっと椅子のショールームがメインだと思っていたのですが、
いざ直す椅子を持ち込みにうかがうと、
今ではショールームは稼働しておらず、修理専門にシフトされたみたいでした。

 

そんななか、
かつてのウインドウだったところに
修理を終えてビニール袋をかぶった椅子にまじって佇む
一台の優美なスツールの姿が。

それが画像の子です。

 

張り替え依頼に来たのに、買い付けに来たときみたいなテンションとなり、
「電話した者ですが、あの、すみません!、こちらは売り物でしょうか?!」と、
用件が後先に(笑)

 

「ああ、これですか?これは私のおばあちゃんが使っていた椅子なんです。
倉庫から出てきたので、傷んでいた座面だけ張り替えたんですよ」と、穏やかに職人さん。

私「かなり古いですよね?」

職「ええ。100年は経っているはずです」

私「どこの国のものか分かりますか?」

職「うーん、そこまでは・・・・。ヨーロッパだとは思いますが」

 

職「張り替えが終わって、引き取りに来てくれるときまでに値段を考えておきますね」

私の目が強くものを言っていたのか(笑)、職人さん、そんなふうに笑いながら言ってくれました。

 

そして次に行くと値段がつけられていて、
スツールは、張り替えが終わった椅子と一緒にKioにやって来たというわけ・・・・

 

 

椅子職人さんの工房には、
ルイ様式のチェアや、ビクトリアンのシェーズロングなど、
素敵なアンティークの椅子が何台かありました。

みなアンティークショップさんからのご依頼なのだそう。

手に入れられないものばかりですが、
でもショップではなくこういった特殊な環境でアンティークを見ると
なんだか買い付けの現場が思い出されて、
職人さんとのご縁がますます嬉しくなりました。

 

おじいさんの代から三代目なのだそうで、
工房の奥ではお父さまとお母さまらしき方が椅子に向かっていました。

家族で代々営む椅子工房だなんて、良いですね。

 

するとスツールは初代の奥さまの持ち物だったということになり、
この子は色んな椅子をこれまで見て来たんだと思うと、感慨深いものがあります。

 

*工房の写真を撮らせて貰えば良かったなあ。
どうもいつも、そういったことをうっかりしている私。。。