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2022年7月

個人商店が好き。

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さいきん面白いお店が増えてきているように感じます。

そう感じる店のほとんどは、個人規模のお店。

小さいけれど、店主さんの個性や想いが詰まっていて、
そこに魅了される。

たとえ自分の趣味とは違っていても、
そのとき買うものが無かったとしても、

そんな店に行ったあとは
そよ風に吹かれたような心地よさや
あるいは強い風に揺さぶられたようながつんとした後味が残って、
それが嬉しかったりする。

 

そんなお店、もちろん前からもたくさんありましたが、
このところまた増えてきてるなあって思うんですね。

 

さて、こうやって個人商店のことを頭に浮かべるとき、
いつも思い出す店が二軒あります。

時計を〇十年巻き戻しますね(笑)

 

一軒は二十歳の頃に出来てハマった、名古屋の東山にあったお店。

小さな二階建ての古い洋館を使った店で、
一階ではイギリスから仕入れた靴を、
二階では靴の仕入れのときにイギリスで見つけたという雑貨を売っていました。

飴色のコードバンの、ぴかぴかの紐靴を奮発して買いました。
木枠の窓から弱い光が入る狭い店内で、
靴の手入れの仕方を店長さんに教えて貰いました。

細い階段をあがった二階は
天井がとても低く一階以上に狭くて、外国の屋根裏部屋みたいな雰囲気でした。
そこには当時はまだ珍しかったローラアシュレイの食器がほんの少しだけ置いてあり、
「次来た時に無くなっていたらたいへん!」と、飛びついて買った記憶が。

 

もう一軒は、私が10代の頃に鈴鹿市に出来た雑貨屋さん。

オープンの知らせが地元紙に載っていたのですが、
「地図では分からないと思うので、ご来店の際にはお電話ください。
鈴鹿市駅まで迎えに行きます」とあり、
この時点でも不思議な店だなあと思ったのですが・・・・・

店は城下町の町屋が並ぶ界隈にあり、
店長さんのご実家の倉(蔵というより倉といった佇まい)が使われていました。

裸電灯を灯した暗い店内。

雑誌にはエスニック雑貨店とあり、
お香も焚かれていてそれ風だったのですが、
和骨董や昔のレコード、古着なんかも混じっていました。

店長さんは気さくな人でした。

この城下町は私が通っていた高校もあるところで、
こんな保守的な町に自由な雰囲気を持つ店が出来たことが本当に驚きで、
どうしてだか切ない気持ちにもなったのでした。

 

エスニックのお店は一年もしないうちに無くなってしまいました。
風の噂では期間限定でお父様から借りていたとのことでした。

靴を買ったお店は再開発で建物が取り壊されることが決まり
クローズしました。


あれから長い年月が経って、
たった数回しか行ったことのない二つの店が
いまだに何度も何度も頭に浮かんでくることが不思議。
でも思い出すと幸せな気持ちになるのです。

 

個人商店、すごいね。

今またじわじわ増えてきている。

個人商店、がんばれ。

 

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*写真はイメージ。買い付けのとき行ったアメリカのお店です。