ホーム>Diary>ビンテージ&アンティーク「買い付け紀行」

ビンテージ&アンティーク「買い付け紀行」

買い付けこぼれ話 2019年9月ロサンゼルスにて

2020515192256.JPG

 

 

 

今日HPにアップをした油絵。

 

 

 

前々回なので、

9月の買い付けになるんですね、

そのときにハリウッド界隈で出会ったものです。

 

 

サンセット大通り沿いに

馴染みのビンテージディーラーがあるのですが、

LAの明るい光りが差し込むウィンドウに

この絵は飾られていました。

 

 

 

 

見た瞬間、

「Kioにぴったりの色だ!」と思いました。

 

そして、買い付けられたらいいなあって。

 

 

お店の奥の壁、入り口、床の上・・・・、

ディーラーにお願いして

絵を色んな場所に移して見せて貰ったのですが、

 

どこで見てもやっぱり素敵で、

ディーラも、それにその場その場で居合わせたお客さんも、

「色が好き!」と口を揃えて言っていました。

 

 

 

ずい分と前のことなのですが、

 

ネットショップの常連のお客さまで

「ぜんぜん必要じゃないし、探していたものでもないのに、

どうしても欲しくなってしまう物がときどきアップされるんですよねぇ。

それでそんなときは、悪あがきでとりあえずその子のアラ探しをしてみるんです。

でもけっきょくはお願いすることになっちゃうんですよねぇ。

岡田さん、困ります!」

なんて、電話口で笑いながらおっしゃっていたことがあったのですが

(ごめんなさい。。。)、

 

私も買い付けのときに、まさに同じようなことがあります。

とりあえずアラ探しをしてみるという心理が、とくにそっくり(笑)

 

この絵も、Kioの商品としてぜったい必要だったかというと

そうでもなかったと思うのですが、

どうしても欲しい気持ちになりました。

 

アラ探しもしてみました(笑)

(もちろん前述のお客さまもそうですが、

本気でアラ探しをするわけではなくて、

買わない材料がひとつでもないか・・

要はいつもしている状態チェックと同じことなのですけれど。。)


 

 

そうやって色々悩んだり?して行き着いたのが

この絵を買ったら未来のKioに繋がっていきそうだし、

健全な気持ちにもなれそうっていう答えだったんですね。

 

 

 

それにしてもLA、懐かしいような気持になります。

 

みんな元気かな。

 

早くロックダウンが解除されますように!

 

 

 

 

 

 


 

アメリカ買い付け紀行『ある日オールドタウンで』

202011818954.JPG

 

 

 

すっかり間が空いてしまいました、、、、、

 

コンテナもとうに出港しているというのに、

買い付けの記事がまだ一話しか書けていなかったですね、、、

 

色々なエピソードがあったのですが、

今日振り返ってみていちばん頭に浮かんでくることを記録して、

今回の買い付け紀行はこれにてお終いといたします。。

 

 

 

 

 

 

ある日。

 

ロサンゼルスから車で二時間弱のオールドタウンへ。

 

途中、時速100キロ以上で走っていても通り過ぎるのに30分はかかる

広大な農場地帯の景色を楽しみながら向かいます。

 

 

そうやって走ってきて突如として町が姿を現すからなのか、

それとも町の様相をしていてもあまりにもひと気がないからなのか、

何度訪れてもオールドタウンは、到着するとシュールな気分にさせられます。

 

 

その気分は滞在中も続きます。

 

ディーラーが引き継いだヒストリックな建物が、

もとはデパートだったり、映画館だったりするからなのかもしれません。

 

古き佳き時代のアメリカの、

当時の気分が、

無垢の真鍮が手すりになった階段や、

低い天井の映写室跡や、

贅を凝らしたファサードなどに染みついているからなのかもしれません。

 

モノにもだけれど、

私は人間ドラマにも興味があるのだなあって思います。

 

 

もとデパートだったアンティークモールには

当時のものをそのまま残したダイナーもあります。

 

売り場との垣根は腰ほどの高さの鉄柵なので、

ここだけはいつも賑わいを見せるダイナーが(それもまたシュールで。。)

買い付けをしながら眺められます。

(写真を撮れば良かった。。)

 

 

50年代というのは何かがある気がする(笑)

(そんなこと言えば、20年代~60年代くらいまでもだけど)

 

陽気さの中に潜む暗さ。

でもやっぱり愛があって・・・・。

 

そんなスティーブン・キングの小説的な気分も味わいながらモールをまわっていると、

棚に並ぶビンテージのホーローやミルクガラスのキッチン用品からもまた

とんでもなくリアルな存在感が感じられるのでした。。

 

 

そんななか買い付けたブレッド缶。

 

 

 

 

本文と写真があまり上手く関連づいていませんが、、

こんなビクトリアンの2シーターも見つかりました。

 

 

 

インスタグラムでも同じことを書きましたが、

このソファを見ていたら映画『ある日どこかで』を思い出して、

タイムトリップしたみたいな、やはりシュールな気持ちになりました(笑)

 

 

映画館跡のモールでは、

オーナーのまだ9歳くらいのお子さん(女の子)が

レジの手が離せなくなったパパに代わって

車への家具の積み込みを手伝ってくれました。。

 

どれも軽くて小さい家具4点ほどだったので、

「いいよ、いいよ」と断っているうちに終わってしまい。。。

 

さいごに「メリークリスマス」と声を掛け合ってお別れ。

 

 

 

ハートも荷台もいっぱいになって

シュールなオールドタウンを後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行第一話と、年の瀬のご挨拶

12月19日から26日までアメリカ買い付けでした。

 

 

20191230133633.JPG

 

 

日本をそんなに留守に出来ない・・・

でも在庫的に来月に繰り越すことも出来ない・・・・

今回そんな状況だったため、いつもより2~3日短い日程で組みました。

 

そんななか、予算はいつもと変わらず。

 

果たしていつも通りモノが集められるか・・・・

 

さすがに不安もありましたが、

今回運よく家具の放出が多く、

納得のいくモノを予算分買い付けてくることが出来ました。

 

欲を言えば、いつもくらい時間があれば

ガーデン関連など、主力商品以外のモノも丁寧に探すことが出来たし、

せっかくホリデーシーズンの真っ只中だったのに

クリスマスのモノもゆっくり見れなかったなあ・・・と、

心残りはそれくらいです(でもけっこう残念でした・笑)。

 

 

 

↑クリスマス色で溢れた町には、おおいに癒されたり元気を貰いました!

 

 

 

 

初日、買い付け紀行ですっかりお馴染みになった、

しかめっ面のマダムのウエアハウスへ。

 

 

 

こちらのトールペイントのコモードが今回の買い付け第一号になりました。

フロレンタインの大ぶりな子です。

 

出会った瞬間、夢見心地の気分にさせられました。

(時差ぼけや、マダムのしかめっ面を差し引いても。。。)

 

 

それで、“夢見心地”という感情やワードを

そのあとの買い付けの間じゅう、ずっと意識することになったんですね。

 

同時に、昔に作られたモノはどうしてこうも素敵なモノばかりなのだろうって、

これは常日頃から思っていることなのですが、

そんなこともいつも以上に思ったりもして・・・

 

 

するとあるときふと出てきた自分なりの答えが、

昔は夢見心地な気分になることもとても大切にしていた時代で、

モノ作りにおいても、そんな想いが反映されていたんじゃないのかなって。

 

 

こういうの(夢見心地な気分になること)って、

無駄なことだとはけっして思わない。

 

むしろこれから先の時代には

また大切なこととして揺り戻してくるんじゃないかな。

 

じっさいそんなムードは、もうだいぶ前から生まれてきていますよね。

 

 

 

買い付け紀行、まとめみたいな初回になりました。。。

 

 

そしてお話まで逸れてしまいますが、

Kioの年内の営業、昨日がラストでした。

 

この一年も皆さまからの沢山のご愛顧、

本当にありがとうございました。

 

 

今の世の中のことも(たとえば使い捨ての文化のことだったり)、

じつは(じつはというのもアレですが・・)いつも考えています。

夢見心地な気分でいることと同じくらいに(笑)

 

お客さまともよくそんな話題になります。

アンティークの話をしていると、その流れで自然となっていく感じです。

 

自分がやっている商売だから贔屓目に見ているわけではないと思う(笑)、

何か紐解く物が、この素敵なモノたちのなかに、それを通した事柄のなかに、

あるように思うのです。

 

 

 

 

 

来年もKioをどうぞよろしくお願いいたします!

 

そして皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください!

 

 



 

「アメリカ買い付け紀行」と「お知らせ」

 

2019102215554.JPG

 

 

まずはお知らせから。

 

 

今回のコンテナ、

本日無事に通関許可が下りまして、

あさって23日水曜の荷受けとなりました。

 

つきましては、

いつものようにしばらく準備でお休みをいただきまして、

お披露目は、29日火曜からとなります。

 

当初は今週末に間に合わせる予定だったのですが、

台風の影響で遅れが出てしまいました。

 

店頭やメールなどでお伝えさせていただいた皆さま、

こんなことで遅れてしまいますこと

お詫び申し上げます・・・

 

 

 

さて、今日も買い付けの断片を・・

 

ときどきこの買い付け紀行に登場する

いつも喜びをしかめっ面で表現する(笑)ディーラーのマダムから

エドワーディアンのビューローキャビネットを買い付けました。

 

 

 

 

 

買い付けるにあたって

まず価格面でのハードルがありました。

 

しかしこれは、マダムがビューローのオーナーに電話で掛け合ってくれたお陰で

(このビューローはマダムが委託販売をしている品でした)、

何とか日本で販売出来る金額になりました。

 

(マダムは受話器を片手に、しかめっ面で親指を立てて、

こちらに交渉成立のサインを送ってくれました)

 

 

次に状態。

 

キャビネットの中は布張りになっていて、

かなり傷んでいました。

何しろ19世紀の布です。

 

けれどこれに関しては

「自分だったらこのまま使いたいな」と思えるような

そんな風合いでしたし、

 

それに張り替えが出来るので、

お客さまにまずこのままの状態でお見せして、

張り替えご希望ならそれに応じればいいので、

とくに問題はないと思いました。

 

 

いちばん気になったのが(細かく言えば色々ありましたが)、

サイドパネルの裾に入ったクラックでした。

 

正直、無かったらどんなに良かっただろうと思いました。

 

でも、“この一台”なのです。

 

たとえば18世紀の宮廷家具ほどには希少&貴重品ということではありません。

自宅で使っているひともいるでしょう。

けどそれでも、ミュージアムやアンティークの本で見る機会のほうが多い一台です。

それがいま目の前に、手の届くところにある。

 

いや、というよりも何よりも・・・・、

ただただ、この家具は何て可愛らしいんだろう、素敵なんだろうと、

だから欲しいと思った。

 

「これがKioをまた変えてくれるような気がする」

 

もちろん、ただKioかわいさのことだけではありません(笑)

 

これが入って、Kioが面白くなることで、

最終お客さまに喜んでいただける。

 

新しい試みをするときにはいつも頭に浮かぶことを

この時も強く思いました。

 

 

決断に長くかかりましたが、

そばで見守ってくれていたマダムに買う旨を伝える瞬間の嬉しかったこと。

 

そしておそらく私と同じように嬉しかったはずのマダム。

「Yeah Yeah!!」と言ってくれましたが、

その表情はやはりしかめっ面だったのでした。。。

 

 

 

↑マダムのウエアハウスの一角

 

 

ビューローも他の子たちも、

明日、無事に届きますように!

 

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行『お宝ハンターとの出会い』

20191011171735.jpg

 

 

内陸の町から帰った翌日は、

LAから一時間ほどの町へ。

 

 

「マダムたちのフリーマーケット」で知り合ったディーラーたちのウエアハウスが集う界隈もあり、

彼女らお得意のフレンチでシャビーな品揃えにもですが、

夢やパワーがいっぱいのマダムたちに会えるのが嬉しくて、

このところの買い付けではいちばん楽しみにしている町。

 

 

20191011171537.jpg

 

 

「買い付け前日の日記」で、

テキサスにサルベージに行ったマダムがいると書きましたが、

彼女がいるのもここ。

正確には、あるアンティークモールに間借りをしています。

 

まずそのモールへ向かいました。

 

 

今回はここでの出来事に焦点をあてたダイアリーです。

 

 

 

しかし彼女のブース、

確かにインスタグラムに投稿されていたテキサスでの戦利品があるにはあるのですが、

申し訳程度というか、

これはブースの内装なのよ・・と言わんばかりの量なのです。

 

 

 

 

 

 

彼女もいませんし、

モールのオーナーもこの日はお休みを取っていて、

事情の分かるひとはいませんでした。

 

 

おかしいなあ・・・・・

 

期待が大きかっただけに気持ちがしぼみましたが、

それでもモールには素敵なアンティークやビンテージが沢山で、

いつも通りの感じで、良い買い付けが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑集まったモノのいちぶ

 

 

買い付けアイテムたちをモールのみんなと一緒に積み込み始めたところに

ピックアップトラックに乗って二人組の男性がやって来て、

こちらに気づくと、「任せて」と言って私たちに代わり(何しろ女性ばかりだったので。。)

手慣れた様子で残りの品々の積み込みをやってくれました。

 

 

そして積み込みが終わると

トラックの荷台から古びた板片を二枚を持ってきて、

「こんなのもし好きだったら、あげるよ」と言うのです。

 

100年はとうに経っているかと思われる、古い古い板。

風や雨ざらしにもなったようで、灰色に変色をしていて、年輪がすっかり浮かび上がっています。

 

好きじゃないひとにとってはたぶんただの廃品にしか見えない板・・・、

でも私にとっては宝物です。

 

嬉しくいただきました。

 

 

でもこのひと達、ここでは会ったことないけど、誰なんだろう?

今度新しくブースを出すディーラーなのかな?

 

そう思っていると、

「テキサスの古い納屋を解体した時に出てきた壁の板のほんの一部なんだ。

これと同じのがあと2000枚、倉庫にあるんだよ」と。

 

2000枚にも驚きましたが、

あれ?、テキサス??、と・・・・・。

 

そして次に、

「こんなのもサルベージして来たよ」と言って、

スマートフォンの画像を見せてくれたのですが、

その画像に写っているモノ達、どれも見覚えのあるモノばかり・・・・

 

「もしかして、Mの・・・・」

 

そう、彼らはテキサスに行ったマダムMの旦那さんとその相棒だったのです。

 

 

どうやら戦利品のほとんどは倉庫に置いてあるのだそうで、

(モールにはいちぶだけ展示して、月末に倉庫で販売会をするのだと言っていました)、

「いつでも倉庫に見に来てくれていいよ」との嬉しい申し出。

 

倉庫は農場の納屋を再生したもので、

広い敷地には昔のガスポンプがずらりと並んだ様子が画像に写っていました。

 

マダムMがここまでの規模でやっているとは想像もしていなくて

(インスタにも倉庫の写真はなかったので)、

思わぬ展開に飛び上がったのですが、

彼らの倉庫はこの町からけっこう離れており、

そこまで行って買い付けをするには、あらためて出直す必要がありました。

 

 

以前のダイアリーで、

「廃墟お宝ハンター」のジェイ(アメリカのテレビ番組)のことを書いたことがありました。

 

Mと旦那さんとその相棒は、まるでジェイのチームそのものでした。

 

サルベージのお話ももっといっぱい聞いてみたかったし、

それらが今眠る古い納屋がどんなだか見てみたい気持ちでいっぱいでしたが、

 

しかし、あとの日程はどうにも変更がならなくて、

「じゃあまた今度」ということになったのでした。

 

 

買い付けも15年目に突入しましたが、

毛色の違うルートが増えてこれからがまた楽しみですし、

 

なんだかとても面白いところ(国)で買い付けが出来ているんじゃないかなって、

あらためてそんなふうに思えてきました。

 

 

 

↑マダムMのブースの一角

ミラーを嵌め込んだ大窓もテキサスからのサルベージ品

 

アメリカ買い付け紀行『19世紀の家具と内陸の町』

 

 

内陸の町。

一日目。

 

14軒のディーラーをまわりました。

 

 

大方のディーラーがひとところに密集してくれているお陰もあって

それだけの数をまわることが出来たのですが、

 

9月のカリフォルニアは下手をすると8月より暑いことが多く、

ちょうどこの時もそうで、

動き続けていたせいか

買い付け先では冷房がきいていても汗がやまず、

しかも「ぜんぶまわりたい」と思うばかりに勇み足にもなっていて、

なんだかどこのディーラーに行っても一人だけ浮いたような感じでした(笑)

 

 

あるアンティークモールでは

すごい早さでブースをくまなく見て、

気に入りがあると廊下まで持ち出して四方から眺めたり写真を撮ったりしている私を見て、

「彼女はアンティークがよほど好きに違いない」と、

私の耳にも届けたかったのか、大きな声で話す家族連れまでいました。。

 

 

 

↑前列の彼らです。

モールオーナーと一緒に最後に記念写真。

 

 

「あなたはインテリアデザイナーなの?」

アメリカでは女性ひとりでアンティークをいっぱい買っていると

みんなまずそうやって思うのかな?、

よくそう聞かれるのですが、

私が顔を向けると、この家族の奥さんが同じことを聞いてきました。

 

「日本でアンティークの店をやっている」といつものごとく答えると、

旦那さんが50年代の日本のおもちゃのコレクターなのだそうで、

出会いをいたく喜んでくれました。

 

「日本のきみの店に買い物に行くよ」と

冗談でそんなことも付け足してくれて。

でも嬉しかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この町で集まったモノのいちぶ。

 

 

暑いこともあってなのか、

先の家族もですが、他のモールで居合わせたひとや通行人のひとも

ディーラーにまじって車への積み込みを手伝ってくれました。

 

こうやって買い付け画像を振り返っていると、

その時のことが思い出されてきます。

 

 

 

二日目は、朝から大移動。

 

 

 

 

一時間半離れた、別の内陸の町へ。

 

 

 

 

 

 

あるモールがヒットで、

画像の真ん中のリビングボードをはじめ

一軒にしてはなかなかの量を集めることが出来ました。

 

リビングボードは1800年代後期に作られたもので、

リアルアンティークです。

 

出会えて、そして自分が買い付けることが出来たことに興奮。。

 

すると隣のアルモワールまで欲しくなってきて。。。

 

 

 

 

私が何も言わないうちからモールのマダムがブースオーナーに掛け合って

日本で小売り出来る金額にまでしてくれたのですが、

 

この大きさ・・・・・・・

 

売れる売れないではなかったし、

店内のスペースだって作ることだって出来る、

 

でもこれを基本的には私と夫のふたりしかいないKioで・・

というか厳密に言えば、ふたりしかいない内のひとりは女性のショップで、

この分厚い鏡を扉に嵌め込んだ巨大な家具を、扱う・・

・・最終お客さまのところまできちんと届ける・・ことに対しての自信が

今は持てなかった。

 

“壁”を感じた瞬間でした。

 

でも乗り越えたい、今後の課題ですね。

 

 

このモールでも、

腕を怪我したマダムに代わって、ここのお客さんが積み込みを手伝ってくれました。

大感謝です。

 

 

 

 

 

珍しいところではこんなアンティークのファイヤーピースが見つかったりして、

この後も順調にモノが集まりました。

 

もう汗も埃も、おかまいなし!

どんと来い!です!

 

 

二日間の買い付けということもあり、

車の荷台は、はちきれんばかりになりました。

 

 

 

帰り道。

 

暑さは前日の夕方と比べるとだいぶ和らいでいました。

 

 

2019103184817.JPG

 

 

休憩で立ち寄った牧場に面していて景色のいいレストアリアでは

メープルがすっかり色づいていて

暑さに反して早い、カリフォルニアの秋を目で感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行『西陽とテネシーワルツ』

9月4日から13日までアメリカ買い付けでした。

 

2019923181615.JPG

 

 

 

「ああ、作っていて楽しくて仕方なかっただろうなあ」

 

先日みえられた家具職人のお客さまが、

ソファの肘にほどこされた細やかな装飾に目をやったときにおっしゃった言葉。

 

 

そう・・・!、

まさに私も同じことを何度思ったか・・・・!、

そんな品々との出会いが多かった今回の買い付けです。

 

 

ただ、ソファを含めた椅子モノや、テーブルランプやシャンデリアなどの照明、

そんな定番アイテムがあいにく少なかったのですが、

その代わりに、色々なカテゴリーのモノが集まりました。

 

 

何て言うか、挑戦したい気持ちが常にあったので、

良くも悪くも(悪いというのは、前述のように定番アイテムがあまり集まらなかったので・・・)

そんな思いが反映された内容になったのかもしれません。

 

 

「もっと予算を作れるようになりたい」・・・、

そんなことを思う帰国後です。

 

 

 

 

 

買い付け序盤は

ロサンゼルス空港に到着後いっきに北上して、

四時間ほど離れた内陸の町へ。

 

 

田園風景の中をひたすら走ります。

 

アリゾナに行くときの砂漠の一本道も好きなのですが、

どこかしら何故かしら郷愁を感じるこの道も好き。

 

 

LAのFMラジオが入らなくなってきたので適当にチャンネルをいじっていたら、

「テネシーワルツ」が聞こえてきました。

 

このカウンティには40’Sと50’Sの専門局があるようで、

それに繋がったみたいです。

 

ラジオから流れてくる歌は

真っすぐ先の西陽や、それに照らされた道や風景にぴったりで、

そのままずっと車を走らせました。

 

幸せなドライブでした。

 

 

 

 

 

 

19時、ホテル到着。

 

買い付けは翌日からです。

 

遠出をしなければ到着日から仕事が出来ますが、

道を走っていることで何かが刷新されていくような感じになるので、

この時間も大事に思えるようになりました。

 

 

 

立ち上がり、こんなになりましたが、

次回からは買い付けの内容も書いていきたいと思います!

 

 

 

アメリカ買い付け紀行番外編「カーメル~17マイルドライブ」後編

 

201982172334.JPG

 

〈前回の続きです〉

 

朝食をとって、ホテルをチェックアウト。

 

これから5時間半かけてロサンゼルスへ戻り、

ダウンタウンの運送会社さんで荷下ろしです。

 

この日は土曜日。

運送会社さんが17時で終わる日なので、

時間に間に合うようただただ帰るのみでしたが、

 

ここでも「せっかくなので・・」と、

カーメルを出るときにちょっといい道?を通りました。

 

それが「17マイルドライブ」です。

 

 

 

 

 

 

文字通り17マイル(約27キロ)続く道なのですが、

カーメルの海岸線に沿ってずっと敷かれているので、

 

ゆったりとした湾、

白い砂浜と、紺碧の海、

浜辺一面に咲く花、

 

そんな景色が繰り広げられ、

一部始終が素敵な眺めでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1860年代に乗り合い馬車の道として作られ、

車の時代が来るまでは主に

17マイルドライブの終着点「デルモンテホテル」の宿泊客の移動に使われていたのだそう。

 

ホテルゲストたちは滞在の合間にまた馬車に乗って海岸へ行き、

瑪瑙とか綺麗な石を拾って過ごすこともあったようです。

 

 

今は有料道路になっていて、10ドルの通行料金がかかります。

 

日本のスカイラインのようなものなのですが、

17マイルドライブは大邸宅やゴルフ場が建つ通りでもあるため、

彼らのコミュニティの中をお金を払って通る・・・

どちらかといえばそんな感じです。

 

 

オーナー(こんな長い道にもオーナーっているんだとびっくり)も時代の変遷とともに変わり、

『スターウォーズ』大ヒット後の20世紀フォックスや、

バブル期には日本人が所有していたこともあったのですって。

 

 

 

 

 

 

 

17マイルドライブのゲート。

 

 

 

 

ここで門番の男性に10ドルを支払います。

紳士的なひとで、ホテルのコンシェルジュみたいだと思いました。

というかきっと、このコミュニティのコンシェルジュでもあるのでしょうね。

 

(前述の道の歴史は、こちらで貰ったパンフレットに書いてありました)

 

 

 

ゲートをくぐる直前です。

 

道の端に一頭の小鹿が立っていました。

 

渡りたいのかな・・と思って車を止めると、

ゆっくりと前を横切っていったのですが、

渡る前に鹿ちゃん、小さな頭を下げてお辞儀をしてくれたんです(笑)

 

 

 

 

もちろんたまたま頭をさげたところがお辞儀に見えただけなのですが、

なんだか健気で、「ぜったいに気を付けてね」と思いながら見送りました。

 

だけど、こんなふうに車や人のことを認識しているような様子を見ていたら、

17マイルドライブは鹿にとっても安全なところなんだろうなと思いました。

 

 

 

ビューポイントがいくつかあったので、

一箇所で止まってみました。

 

 

 

 

皆さんビーチサンダルに履き替えて、準備周到。

私だけ革のローファー。。

車だってひとりだけ16人乗りサイズのカーゴバンだし、

なんだかだんだん場違いなところにいるような気が(笑)

 

 

 

 

 

それにしても

時間が流れていないような静かで、

きれいな道でした。

 

 

終盤は曲がりくねった林道になるのですが、

ゴルフ場のコースにもなっているので手入れも行き届いていて、

とても気持ちが良かったです。

 

 

 

 

 

それに17(セブンティーン)マイルドライブという名前もいいです(笑)

 

これが10(テン)マイルドライブとか

23(トゥウェンティスリー)マイルドライブだと

今ひとつぱっとしない感じがする。。

 

 

また機会があったら走りたいな。

 

そのときは、ビーチサンダル持参で!

 

 

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行番外編『カーメル~17マイルドライブ』前編

201972719128.JPG

 

カーメルというと、

「クリント・イーストウッドが市長を務めていた町」という認識しかありませんでした。。

 

 

訪れることになったのは、

ずっと行きたかったアンティークモールがたまたまこのエリアにあったからなのですが、

 

いざ買い付け計画を立て初めてみると、

ディーラーのサイト画像に写り込んでいる町は

景色はきれいだし、建物もお店もいちいちかわいいしで、

なにやらただならぬものを感じまして(笑)、

 

そこで今度は町についてリサーチしてみると、

全米屈指の富裕層が暮らす町、

そして美しい自然や町並みからインスピレーションを受けるべく

世界中からアーチストが移り住んでくる町だということが分かったのです。

 

 

ここからが自分でも可笑しいのですが、、

「それならば、カーメル滞在中はアンティーク以外の素敵なものにも出来るだけ触れてみることにしよう!」

ということになりまして、

冒頭のシダーシェイク張りのコテージは、そんな流れで取ったホテルです。。

 

 

この壁、カーメルというか、北カリフォルニアでは多く見られたなあ。

 

 

 

 

Kioの外壁は鎧張りですが、実はこの壁と迷ったんですね。

それくらい好きな壁。

 

フロントとロビーがある棟も、ほかに二つある宿泊棟もみんなこの壁で、

ここが視界に入ってきたときにはテンションがあがりました。。

 

 

 

 

 

 

 

ブーゲンビリアの仕立ても壁に良く似合っていて、素敵でした。

 

 

 

(Kioも次のシーズンには蔓バラをこの仕立てにしよう!)

 

 

 

 

 

 

部屋には暖炉がありました。

 

 

 

 

泊まったのは5月でしたが、

夜は、点けようかどうしようか迷うくらい肌寒かったので

(けっきょく点けませんでした)、

ここでは一年の半分くらいは暖炉が活躍しているんじゃないかな。

 

 

部屋にいても、鳥の声や風の音が絶えず聞こえてきたりして、

すごく居心地の良いところでした。

 

「海まで歩いて5分くらいで、道のりも素敵だよ」と、

チェックインのときにフロントのひとが教えてくれたので

あとで散歩しようと思っていたのですが、

インスタグラムの投稿を終えてしばらくしたところでいつの間にか眠ってしまって、

目が覚めたときにはもう夜でした。。。

 

 

 

朝はロビーで、コンチネンタルブレックファスト。

 

暖炉が焚かれた小さな空間に

形や大きさが不揃いな椅子やテーブルが配してあります。

 

そこに何組かのゲストが集っていて、

まるでどこかのお家に招かれてきているような感覚になりました。

 

 

私みたいにひとりの女の人もいて、

「ここでエッセイを書こうと思ってネバダから来たの」と、

コーヒーの順番を待っている間にそう聞かせてくれました。

 

仕事でアンティークを買いに日本から来たと私が言うと、

「ええ!そんな仕事があるの?!エッセイに書こうかしら!」と笑いながら言っていました。

 

 

近くのベーカリーから毎朝焼きたてを届けて貰っているというパンやマフィンは

持ち帰りたい!と思うくらいで、

(コーヒーはスターバックスの味にそっくりでした・笑)

とっても美味しくて楽しい朝食でした。

 

(ロビーの写真を一枚も撮らなかったなんて!と、今になって悔やんでいます。。)

 

 

 

ホテルのことを先に書きましたが、

ホテル到着前に買い付けで訪れていたオーシャンアベニューの界隈が

カーメルの中でもとりわけ素敵でした。

 

 

 

 

 

 

 

雰囲気は、町をあげてまるでおとぎ話の世界のようでした。

 

 

 

 

 

アーチストが多いので、ギャラリーもたくさんありました。

 

ハイブランドのお店も多かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お店は、コートが通り抜け出来る作りになっているところが多く、

それで感覚のおもむくままにしばらく店から店へと渡り歩いていたら、

方向感覚にはわりと自信があるのに、なんと迷子になってしまいました!

 

この界隈でまわる予定のディーラーがまだあと二軒残っていて、

それまでの楽しい気持が一転、焦りに変わりました。。

 

小さな油絵を展示しているギャラリーの近くに車を停めて

通りの名前も憶えてあったのですが、

とりあえず車に戻ろうとしてもそれが難しいのです。

 

なんとか自力で戻ったのですが、

まるで森でさまよっていたかのようで・・・・・

不思議な町だと思いました。

 

 

番外編なので買い付けのお話もなく、しかも長くなりましたが、、

実はそれでも今回は前編でして、

後編では「17マイルドライブ」という

色々な部分でカーメルを象徴するような道をドライブしたことについて書きたいと思っています。

 

またよろしければぜひお付き合いください。

 

前編お読みくださりありがとうございました!

 

アメリカ買い付け紀行『トレジャーハンター』

2019623183033.JPG

 

 

夫がディスカバリーチャンネルで見つけて

さいきん二人してハマっているアメリカのテレビ番組があります。

 

『廃墟 お宝ハンター』

 

三人組の男性が

廃墟になった工場やホテル、農場の納屋などを回り、

そこからお宝を発掘するという内容。

 

 

三人はペンシルバニア州で活動をしている、

実際のアンティークディーラー。

 

発掘したお宝を時間を掛けて手直しし、

そしてそれらを販売するまでを

すべて自分たちでおこなっています。

 

 

お宝の情報が入ると現場に向かうのですが、

州をまたいでの出張も頻繁です。

 

そうやって出向いても、

交渉の段になって廃墟のオーナーが渋りはじめ、

けっきょく収穫があまり得られないなんてことも多々あります。

 

そんなときリーダーのジェイがカメラに向かっていつも言うのが、

「こんなに時間を掛けてやってきたのに、これでは損をすることになります」

とのセリフ。

 

この番組を見ているとき、

いち視聴者として純粋に楽しんでいる自分と、

ジェイ達と同じ、いちアンティークバイヤーとして共感しながら見ている自分がいます。

 

モノがあまり買えなかったときは、

「せっかくこんなに苦労して発掘までしたのに、可哀そうに・・・・」と

視聴者目線で思ってしまうのですが(笑)、

 

そのあとの「これでは損をすることになります」というジェイのセリフを聞いて、

色々とハッとさせられるんですね。

 

 

廃墟で売れるようなモノを探す。

 

それは何かにとりつかれた男達の夢物語のように見えて

(じっさい、ジェイ達の廃墟の中での様子を見ていると、

探検ごっこをしている無邪気な子供のようなのです)、

れっきとしたビジネスなのだということ。

当然と言えば、当然のことなのですが・・・

 

 

ジェイの姿からは、誇り高いものを感じます。

 

自分も無邪気に、そしていつもシビアな気持ちで買い付けにのぞんでいるだろうかと

(無邪気は大丈夫だと思う。。。)、

この番組のお陰で自問することが出来たのでした。

 

 

 

買い付け紀行と言いながら、

違う記事になってしまいました。。。

 

 

じつは今回、一時間くらいの道のりではあるのですが、

原っぱにぽつんと一軒だけあるディーラーが

野火の延焼で焼失してしまっていたという事態があったんです。

つい最近の出来事だったようです。

 

ディーラーのことを思って、泣けてしかたがなかった。

 

その日はどこへ移動してもモノとの出会いに恵まれず、

それでこのことをどうやって記事にしようか、

それとも辞めようか考えていたときにお宝ハンターの番組のことが頭に出てきて、

話があまり繋がらないのは分かりつつ、

今回の買い付け紀行としました。

 

 

読んでくださってありがとうございました!

 

 

 

 

↑上記の日に買えたもの。
Kioでは珍しい、でもなんだかKioらしい感じのする

アコーディオンモチーフのバーツール・ホルダー。

さいきんcobaの曲ばかり急にまた聴くようになったからか、

「アコーディオンだ!」と、目に飛び込んでくるのの早かったこと(笑)

 

 

 

↑こんな天使が連なったハンガーも買えました。

かわいい!

かなり古いです。

どんなところから出てきたんだろうなあ。。