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2019年2月

アメリカ買い付け紀行『アンティークと空模様』

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カリフォルニア買い付け中盤。

 

 

まず向かったのは、サンディエゴ。

 

 

 

 

 

道中ずっと晴れていたのに、

川を越えたらディーラー・・というところになって

霧が出てきました。

 

海が近いので不思議ではないのですが、

長く通ってきたなかでこんなシチュエーションは初めてですし、

この町で霧にあうのも初めて。

 

 

 

 

 

 

ディーラーのファサードには

パリをイメージした白黒ストライプのテントが付いているのですが、

霧がかかって、

そこだけ見ると、ほんとにどこだろう?と思えるような景色になっていました。

 

 

(冒頭の画像は、こちらの売り場。

バレンタインパーティの準備を始めているところでした)

 

 

 

 

 

 

こんなタッセルモチーフ脚のアイアンシェルフが見つかりました。

 

 

アイアンインテリアはお洒落ですし、空間にメリハリもつけてくれるので、

とても良いアイテムだと思います。

 

 

それにしても、このゴールドアイアンのシリーズ。

 

同じテイストや技法で作っているのに、

たとえばこんなシェルフひとつとっても、

シェイプが変えてあったり、サイズが少し違えてあったりと、

まったく同じモノになっていないのが愛すべきところ。

(なかには同一のモノもありますが)

 

これまで何種類の作品と出会っただろう。

 

ひとつ見つけるたびに、

「あなたはこんな子なのね」と、目じりがさがってしまいます。

 

 

 

美術品ほどのプライスだったので、買うのは無理でしたが、

こんなタペストリーもありました。

 

 

 

 

「生命の木」を題材にした、19世紀末イングランドの作品。

 

ウイリアム・モリスを思わせる、

アーツアンドクラフツ・ムーブメント期の大作です。

 

 

 

図柄も質感も、それにインド更紗のような色使いも、

すべてが本当に素敵でした。

 

 

 

この界隈のディーラーを数軒まわって、

時刻は13時。

 

到着してから三時間が経ちますが、

霧は晴れる兆しはありません。

 

霧に乗って、海の匂いまでしてきます。

 

海、どんなだろう・・・?

 

霧の海がどうしても見てみたくなって、

桟橋まで車をまわしました。

 

 

 

ジョン・カーペンターの映画「ザ・フォッグ」の世界みたいでした!

 

 

 

 

霧の町を出て、

それからどんどん内陸に進むコースで買い付けを続け、

さいごの町を出る頃には、山の稜線に彩雲が。

 

 

 

 

 

そして夕焼けの中を抜けて、

ロサンゼルスに戻りました。

 

 

 

 

 

アリゾナ往復を除くと、この日がいちばん長距離移動でした。

 

 

買い付けも、

それにお天気もめまぐるしい一日だったなあ。。。

 

 

 

アメリカ買い付け紀行『マダムたちのウエアハウス』

ある日の買い付けは、

LAから車で一時間ほどの町へ。

 

 

昨年から不定期になって以来、

すっかり行けなくなってしまった「マダムたちのフリーマーケット」。

 

そこの出店者たちのウエアハウスや

アンティークモールのブースがこの町にはいくつかあるので、

「マダムたち・・」関連を中心にまわりました。

 

 

一軒目。

ここはモールです。

 

入るなり、こんなキャビネットとの出会いが!

 

 

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100年を超えたアンティーク。

祈るような気持ちで状態確認に入ります。

 

「良かった!買い付けられる!」

ただちにオーダーを入れました。

 

 

 

 

 

品揃えがいちばん好きなので、

真っ先にここに来ましたが、

今回はもうひとつ目的がありました。

 

 

こちらのインスタグラムで

カリグラフィーのボードを手掛けているマダムが作品を常設しているのを知ったのですが、

 

アンティークの窓やミラーの枠を使ったお洒落で美しいサインボードを見ているうち

Kioでも扱ってみたい想いが湧いてきて、

まずは一点、ぜひ譲り受けようと思ったのです。

 

 

 

 

あいにくマダムは不在で残念でした。

そして家具や小物を選ぶより時間もかかったのですが、

とても新鮮で楽しい作業でした。

 

 

 

 

レイアウトがいちばん気に入ったこちら(文言も率直でかわいい!)にしようと思ったとき、

死角になったところにもう一点、サインボードがあるのに気がつきました。

 

 

 

 

 

気持のいいカリグラフィー。

そこにはルイ・アームストロングの歌の詞が書いてありました。

大好きな歌です。

これに決めました。

 

 

マダムのサインボード、

作品として美しいのはもちろんのこと、

アンティークやビンテージ家具と合わせることでお互いさらに生きるような気がして、

店内に飾るのがすごく楽しみです。

 

もちろん商品です。

こういったものを扱うのは初めてなので、

お客さまからどんな反応をいただけるのかも楽しみです。

 

 

 

別なマダムのウエアハウス。

 

 

 

 

なんだか昭和の小さな商店のようなカウンターが楽しい!

 

「写真はほんとは好きじゃないのよ」と苦笑いしながらも、

掲載を許してくれました。

 

分かりづらいですが、マダムが手にしたビンテージのクロスと、

小物をいくつか、スペシャルプライスで譲って貰いました。

 

ありがとう!

 

 

 

この日はアリゾナから戻った翌日。

 

何が・・と上手く言えませんが、

アリゾナだけだと何かが足りない・・・と、

戻ってからずっと心に引っ掛かっていたものが一日でずい分と解消されて、

カリフォルニア初日は、良い滑り出しになりました。

 

 

 

 

アメリカ買い付け紀行『アリゾナの夕焼け』

 

 

 

 

 

 

アリゾナでは、フェニックス周辺をまわります。

 

カリフォルニアに比べるとディーラーが密集していて

仲間意識が高いからなのか、

個人でやっている人のところへ行くと、別な個人ディーラーを紹介してくれたり・・・、

 

三回目でずい分とディーラーの情報が増えました。

 

 

反面、まだ三回目だというのに

辞めてしまった人も何人かいて、

初日は空振りも何軒かあった。

 

そうなると確実なのは、アンティークモール。

 

二日目は、午後からは終日モールをまわっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日差しがいちばん強い時間帯。

 

あるモールでの買い付けを終えて、

バンの荷台の整理をやっていると、一台の車がそばに止まり、

運転席からサングラスをかけた男性がこちらを見ています。

 

よく「それ、いいね!」とか「いくらだった?」とか聞かれるので、

この人もきっと私の買い付けた商品で何か気になるものがあるんだろうなと思っていたのですが、

 

なんと、「Kioさんですか!?」と、日本語で訊かれて・・・!

 

フリーマーケットででもない限り、カリフォルニアでだって日本の人と会うことなんてまずないのに、

まさかこんなところで・・・・

 

しかもサングラスを外したその方、

数年前にもサンディエゴのモールでばったり会って、

声を掛けてきてくれたバイヤーさんだったのです。

 

時間にすれば5分もなかったと思うけれど、

お互いの仕事にまつわる話を色々として、

さいごに「頑張ってください」と声を掛け合って別れました。

 

家具の買い付けはされないので、

ひょっとしたらジュエリーのショー(前回の記事)に合わせてアリゾナ入りされていたのかもしれないと、

あとになって思い至りました。

 

それにしたって偶然です。

びっくりでしたが、それ以上に嬉しくとても励みになった出来事でした。

 

 

 

アリゾナでは、ハリウッドリージェンシー的なモノは、やはり少ないです。

 

 

 

 

こういったモノが視界に入ると、

「あ!」と、反射的に心の針が大きく振れます。

 

やっぱりKioでは外せないアイテムだと、

ハリウッドから遠く離れた砂漠の町で再認識でした。

 

 

 

 

 

 

こんなランプもありました。

 

1910年代頃と、大変古いカメオガラスをボディにした一台。

 

スペシャルなモノとの出会いは

自分ももちろんすごく嬉しいですし、

お客さまの喜んでいる顔(特定のどなたかの時もありますし、

漠然とした感じでお客さまが沢山という時もあります)が浮かんできて、

この上ない気持ちになります。

 

ところが裏側を見ると、ガラスにぽっかりと穴のような欠けが・・・・・。

 

「それでも買っておいた方がいいんじゃないか」と思うくらい迷いました。

 

こんなとき、判断材料にしていることがあります。

 

それは「自分だったら、使いたいかどうか」。

 

目の前にあることが驚きなくらいの作品でしたが、

「自分だったら使いたくない」ことを最終判断として、見送りました。

 

 

しかし、カメオガラス、きれいだったなあ。

いつか手掛けてみたい。

 

 

 

ここ(アリゾナ)だからこそ買えたと思えるモノ、

Kioならではと思えるモノ、

バンの荷台がそんなモノ達でいっぱいになったところで、

アリゾナでの買い付け終了。

 

モールの外は、

今度は燃えるような夕焼けでびっくりでした。

 

 

 

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おまけ。

 

 

翌日。

カリフォルニアへの帰路。

 

給油に立ち寄った州境のスタンド。

裏手にあった閉鎖してかなりの歳月と思われるモーテルの看板が、かっこよかった!

 

 

アメリカ買い付け紀行『アリゾナトリップ』

1月23日から2月2日までアメリカ買い付けでした。

 

 

 

 

 

序盤はアリゾナ。

 

ロサンゼルスからレンタカーで向かうのですが、

いつもより二時間早い飛行機で到着(AM10時)したので、

陽のあるうちにアリゾナに着くことが出来ました。

 

西陽に照らされた砂漠の一本道をずっと走ってのドライブは

幸せな時間でした。

 

 

 

ホテルにチェックインする際、日本のIDを見せるやいなや、

「アンティークのショーに来たの?」とフロントの女性に聞かれて、

びっくりする場面がありました。

 

聞けば、翌日から近くのコンベンションセンターで大きなアンティークショーがあるのだとかで、

きっと日本からのバイヤーも多く来ていて、

私もそんな一人だと思ったのでしょう。

 

しかしなぜ私はそんな情報を見落としていたんだろう・・・!

 

「ただショーとしか・・・。名前は分からないの」とのことで、

部屋に入ってすぐにインターネットで調べてみました。

 

残念ながらアンティークはアンティークでも、ジュエリーのショーであることが分かりました。

 

でもなんだか、さっそく買い付けの波に乗ったような感覚になり、

明日からの二日間が俄然楽しみになったのでした。

 

 

 

買い付け商品の第一号。

 

 

 

 

アンティークの帆船モチーフの・・・これはドアストッパーです。

 

「今回は小物を多く・・・」と思いながら出掛けてきたからか、

小物からの滑り出しに。

 

結果から言いますと、

小物は最後まで順調に集まり続け、

そのため買い付けのアイテム数が増え、

帰国後の輸入申告がいつもよりちょっとだけ大変だったという・・・(笑)

 

それでもコンテナ到着後に蓋を開ければ、

まだまだ思い描くようなボリュームには至らなさそう・・・と、

戻ってみてあらためて店内見回し、そんな実感に。

 

これからまた少しずつ、ですね。

 

 

 

家具ではこんなのも見つかっています。

 

 

 

 

とても好きなメーカー、

『THE HITCHCOCK』のデスク&チェア&ミラー。

 

1800年代初期にコネチカット州で創業。

高いクラフトマンシップで人気があるせいか、

このメーカーのものは出物が少なく(HICHCOCKを模倣したものは沢山あるのですが、、)、

たまにあると高額だったりして、なかなか手に入りませんでしたが、

どうだろう・・・10年ぶりくらいに買い付けることが出来ました。

 

フルーツとフラワーのステンシルがここの代名詞でもあるのですが、

よく見ると、ネイティブアメリカン柄を思わせるステンシルもあり、

アリゾナでこれと出会ったことが感慨深かったです。

 

男女も問わず、

幅広く素敵なコーディネートが出来る家具だと思う。

 

 

 

 

 

 

18時にはどのディーラーもたいてい仕事の片付けに入ります。

 

そんななか一軒、21時まで開けている珍しいアンティークモールがあり、

そこに向かいました。

 

 

バイイングを続けているうちにランナーズハイにでもなったのか(笑)、

足を止めたくなくなってしまいました。

 

20時を大きく回ったころ。

動き回る私を見かね、

三回目で覚えていてもくれて、

「またすぐにカリフォルニアに戻るんでしょう?

今日はもうやめたほうがいいんじゃないかな」と、モールスタッフ。

 

 

すべて夢で、さいごに夢から引き戻されたような・・・・・

そんなアリゾナ初日でした。

 

 

 

 

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