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2017年10月

買い付け前日の日記

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Kioは来月でグランドオープンしてから12年になります。

 

一巡して、

新たなサイクルに入る・・、そんな節目に立っているような感じがしますし、

その一方で原点に立ち返ったような感じもしたりして、

このところはなんだか色んな考えや想いが、どどどーっと押し寄せてきます。

 

 

そんななか明日から買い付けで、

いつも以上に気持ちが引き締まっています。

 

 

これまでモノを選ぶとき、“質感”を大事な基準のひとつにしてきました。

 

もちろんそうやってやってきたのは良かったと思っていますが、

もう少し掘り下げていきたい・・・

そう思ったとき、

“質量”、

そんなワードが意識の中に立ち上がってきました。

 

 

このあいだ面白い夢を見ました。

 

ひとつの空間に、ふたつの階段が隣り合って立っている夢。

 

ひとつは、古い洋館風の階段で、

ステップが一段ごとにダークレッドとネイビーに塗り分けられていて、

手すりは、こちらもダークレッドとネイビーなのですが、

ところどころに金彩された花の彫刻がほどこされています。

 

Kioで扱う家具を階段にしたみたいなものでした。

 

もうひとつは、こちらも古いのですがもっとシンプルで、

黒光りした木の感じが魅力的な階段でした。

 

空間は、大きな廃屋の一室みたいなところで、

さいしょは私ひとりしかいなかったのですが、

いつの間にかひとがいっぱい集まってきて(Kioのお客さまの姿もありました・笑)、

「素敵だね!」「すごいね!」と、

階段を見て嬉しそうにみなで口を揃えるという、

そんな夢でした。

 

 

夢を見てから何日か経ちますが、

 

なんか、こんな階段みたいな感じ・・・・・・

 

この感じ・・・・

買い付けで覚えているようにしていたいなあと。

 

 

いつも出発が近づいてくると

まだ何に出会うかまったく分からないうちだというのに、

運送会社さんの倉庫に集まった

コンテナいっぱい分のビンテージ達の様子を思い浮かべます。

 

さすがに階段はないですが(笑)、

質感や質量のあるモノ達の姿というか気配が浮かびます。

 

 

今回は買い付け先を洗い直しました。

 

そうは言ってもやはり多くは欠かせないディーラーさんのところなのですが

かなり久しぶりのエリアや初めてのところもまわります。

 

 

また帰国後に良いご報告が出来るといいです。

 

 

 

それでは、行ってきます!

 

 

 

 

お客さまのアンティークルーム 名古屋市Kさん

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“見た”というよりも“体験した”と言ったほうが当てはまるような、

そんないつまでたっても脳裏から消えないビジュアルってありませんか。

 

それらが焼き付けられるとき、

どんなことが頭(脳?)に起こっているのかなって思います。

 

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今回ご登場いただくKさんのお部屋も

そんな空間でした。

 

お届けにあがってから二か月になりますが、

頭の中でときどき自動再生されるくらい(笑)強く焼き付けられています。

 

 

 

冒頭よりKさん邸。

 

お忙しそうな日常の様子もところどころに垣間見られますし、

Kさん邸では猫ちゃんが何匹も暮らしていて

「ここは猫ちゃん仕様なのかな?」そんなふうに見て取れる箇所もあったりするのですが、

 

それらもぜんぶひっくるめて凄いと思わせる・・・、

なんだかほんとに凄い空間でした。

 

 

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家具はすべてアンティーク。

 

「何でも好きですね」とおっしゃるだけあって、

国は、イタリア、フランス、イギリス、アメリカ・・・、

テイストも、ルイ、ビクトリアン、ルネサンス・・・と様々。

 

「アメリカみたいでしょう?」とKさん。

 

そう・・・・!

ヨーロピアンなんだけれども、

そこに一枚“フィルター”がかかって独特な雰囲気が醸し出されているこの感じ・・・・

マンハッタンとかハリウッドみたいです!

 

 

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油絵もたくさんお持ちでした。

(フローラルピクチャー、Kioにも飾りたい。。。)

 

そしてテーブルランプも部屋中ふんだんに配されていて

すべてに弱いワット数で明かりが灯されていました。

 

この明かりたちの競演も

言葉では言い表せないくらい素敵で、

はじめてお邪魔する私たちを心からリラックスさせてくれました。

 

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Kioからキューピッドモチーフのランプが仲間入り。

 

 

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Kさんは、ファイヤースクリーン(右側のパネルです)も何枚もお持ちでした。

 

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↑Kioからもこちらをお届け。

(まだ場所が定まらなかったので、HP画像より)

 

“つい立て”のようなアイテムがお好きのようで、

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こんなビクトリア時代のデコパージュの大作もありました。

これもいいなあ!

 

 

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玄関ホールにセットしていただいたKioからのテーブルランプのペア。

 

オリジナルのシェードは径が大き過ぎたので、Kさんが別なものをご用意されたのですが、

それまでのモダンなシェードをかぶってハードな雰囲気だったのが

いっぺんにクラッシーでしっとり落ち着いた佇まいになり、

あまりの変身ぶりにすごくびっくりしました。

 

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白を基調とした華やかな内装なのに、

こんなにも落ち着いたハンサムな雰囲気に仕上げることが出来るだなんて・・・!

 

間接照明によるところも大きいと思いますし、

Kさんは男性なのですが、男性が手掛けられたというのもあるのだと思います。

 

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Kさんは、さいきんインターネットでKioを知っていただいたばかりなので

お会いするのもはじめて。

 

とても気さくな方でした。

 

 

Kさん、本当にありがとうございました!

 

また機会があったらぜひお邪魔させてください。。

 

 

 

 

Kioの名前物語

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「『Kio』って名前には、何か意味があるんですか?」

 

看板を出すようになってから、よくそう訊かれるようになりました。

 

(二代目までのHPでは名前の由来について謳ってたのを

今のサイトではやめてしまったし。。)

 

 

Kioは“きょう”からきています。

 

今日という意味。

 

それから私の名前、享子(きょうこ)の意味もふくませて。。

 

 

 

今から12年前。

 

名古屋の大須に店を出すことが急きょ決まり、

プレオープンまで三か月という短い時間のなかで買い付けをして

店名も決めなければいけないというプレッシャーのなかにいました。

 

 

ところで大須時代のKioには『Tao』と『Ziu』というふたつの姉妹店がありました。

(どちらもKioより先にオープンしていました)

 

「道」という意味のTaoと、

「慈みの雨」という意味のZiu。

 

素敵な意味をもつ二軒にならった名前がいいかも!と思ったとき

ぱっと頭に浮かんだのが、

Kioという言葉というか文字でした。

 

「道と慈雨。今日が仲間入りしても悪くないような気がする・・・」

 

それで構想ノートに「Kio」と記したのですが、

それでもまだ決定にはいたらず、

買い付けも目の前に近づいてきたので、

とりあえず名前は保留にすることに。

 

 

買い付け直前。

 

「そうだ、向こうでディーラーに渡す名刺も作らないと」と。

 

それで、やはり仮でもいいので名前が必要になったのですが、

自分でもワケが分からないのですけれども、

名刺に記した名前は、「Kio」ではなく「i . Deco」だったのです・・・・・。

 

 

Kioのドメインは、kio-deco.com ですし、

もともとDecoという言葉には強い思い入れがあり、

それを入れた名前も候補でした。

 

仮でKioと付けたくなかったのか、

Decoが捨てきれなかったのか、

それとも自分の名前を意味にふくませたのが姉妹店のオーナーにたいして気が引けたのか・・・、

 

肝心なところがよく思い出せないのですが、

とにかく「i . Deco」と屋号の入った名刺を携えてアメリカへ買い付けに。

 

i は、私という意味で頭に付けたのですが、

「アイ・ドット・デコ」という言葉に

アメリカ人のディーラー達が何にも感じてくれてないのが

どこに行っても伝わってきて(笑)

 

 

そして私の名前のキョウコの発音が彼らには難しいから、

みな「キオ」「キオ」と呼ぶではないですか・・・・

 

「Kio。そうだ。店の名前はやっぱりKioだ・・・!」

 

 

帰国して、姉妹店のオーナーに、

「店名、Kioにします!」と伝えると、

「DecoよりKioがいいと思ってたの!」と喜んでくれました。

 

 

ちなみに、この期に及んで、

キオの綴りを「Quio」にしようか・・という思いもよぎったのですが、

感性に絶対の信頼を寄せていたクリエーターの友達が

「ぜったいダメ。Kioじゃないと享子さんじゃない」

と言ってくれて、Qからはじまるキオは即座にボツに。

 

これはほんとに良かったと、今でもクリエーターUさんには感謝しています。

 

 

 

Kio、

いよいよ13年目に突入です。

 

これからもこの名前を掲げて・・・、

店を長く続けていきたいです!

 

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ウォールデコレーション 名古屋のマダム編

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「やっぱり壁には何か飾りたいですねえ」

 

先日お客さまとそんなお話になりました。

 

 

家具が揃ってくると、

重心がどうしても下にさがってきます。

 

そんなとき壁面に何もないと、なんだか殺風景ですし(それが美しいときもありますが)、

壁面に“何か”があると、空間のバランスってぐっと良くなるんですね。

 

そんな美しいバランスを求める気持ちと、

あとなんだろう・・

これもときどきお客さまと話題になるのですが、

壁に掛かったモノ達で囲まれていると、なんだかほっとなるんですよね。

 

壁を飾ることの深いところには、そんな本能的な理由もあるのかもしれません。

 

 

 

けれども素敵な壁面ってもう、理屈抜きに眺めていて楽しいし、

幸せな気持ちにさせてくれますよね!

 

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名古屋のマダムが素敵なお部屋画像を送ってきてくれました。

(冒頭よりマダムからの画像です)

 

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マダムの壁面のデコレーション、いつもため息が出ます。

(壁面だけではありませんが。。)

 

 

そしてもっとやりたい気持ちが、ぐぐぐーっとわいてきます。

 

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店の内装もだいぶ落ち着いてきたので

なんだかんだ延び延びになっていた二階の住まいにいよいよ本格的に取り掛かるのですが、

名古屋の部屋のときのような住み心地の良い空間をまた作っていきたいです。

 

もちろん壁面も素敵になるように!

 

マダムのお部屋画像を眺めてたら、なんだか切実にそう思えてきました。。。

 

 

マダム、素敵な画像と刺激をどうもありがとうございました!

 

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*ところでマダムですが、

クラシエから新発売された『アレデル』のCMに出演されています!

 

「あのひと、名前なんだたっけ?」

というセルフを喋っているのがマダムです~。

 

 

森と栗とマロンクリーム

今年も前の森に実った栗を

森の所有者Kさんにいただきました。

 

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「ほんとに勝手に入って拾ってくださればよろしいですよ」

と、Kさん。

 

有り難いお申し出に今回は甘えることにして、

森へ栗拾いに。

 

 

森は入ると、すぐに急斜面になっています。

斜面を少しのぼると、わずかですが平らになった空間が広がっていて、

そこにKさんのお爺さまがむかし植えられたという栗の木が四本あります。

 

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かなりの老木で、

なんだか思わず挨拶をしてしまいました。。

 

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ここまで来たのは、はじめて。

 

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「Kio、こんなふうに見えるのかあ」とか、

さらに続く斜面を眺めていたら何故か無性にどんどんのぼっていきたくなったりもして、

しばし栗拾いの手を休めて森にひたっていました。

 

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栗は鹿や猪も食べに来ると聞いていたので

ほどほどに拾って店に戻ると、

「鹿が来てる・・・!」と、私と入れ替わりで外に出た夫。

 

イガを割ったりもしていたから栗のにおいや気配をキャッチしたのか

昼間には珍しく、一頭の鹿が栗の木の下に立っていました。

 

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もっといい写真を撮ろうとしているうちに逃げていってしまいました。。

ごめん。。。

夜になってからまた来ていたみたいです。。

 

 

 

栗は今年も楽しみにしていた母が栗おこわにして

Kさんや皆に振舞われましたが、

私もいくらか残してマロンクリーム作りに挑戦。

 

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クリームが出来たはいいけど、何にのせよう・・?!

 

するとちょうど風月堂のマロンゴーフルを姉がくれたので、

それにのせてみました。

 

Kさんの栗、とっても美味しいので、

このビジュアルはさておいて、、、優しい風味のマロンクリームが出来上がりました!

 

 

鹿に会えたし、Kさんに森の他の植物のことも色々教えて貰ったり、

そして皆も集ったりして、

栗のおかげで楽しい秋の始まりとなりました。