ホーム>Diary>2024年3月

2024年3月

アメリカ買い付け紀行「スパニッシュな町でのひとこま」

2024331154259.jpg

 

まずは、入荷についてのお知らせです。


先日のダイアリーでは
「エアー便で」とお伝えさせていただきましたが、

運送会社さんが荷造りしてくださったところ、
見込んでいたよりもワンパレット分、多くなりました、

思ったよりも買い付けのボリュームが多くて
そのことは喜ばしいのですが、

見積もっていただくと、
いくらエアーのレートが良くても
さすがにコンテナ船の混載便との差が大きく開いてしまったので、
予定変更で、船便で出すことになりました。

 

今のところでは、4月24日に名古屋に入港予定です。

早くお披露目出来そうですと大威張りでお知らせしておりましたが、、
こんなふうでこれまでのコンテナと同じ日程となります。

予定が変わってしまってごめんなさい、、、、

お披露目は、ゴールデンウイーク頃になりそうです。
白山町がいちばん気持ちのいい季節です。

入荷状況は順次お知らせさせていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

2024331155250.jpg

 

さて、今回の買い付け紀行は、ある日のひとこまを。

 

土曜日は、オレンジカウンティの海辺のエリアをまわりました。

その日の二軒目での出来事です。

 

訪れたのはアンティークモール(冒頭の写真)。

観光地にあるので、町もモールもいつも賑わっているのですが、
この日は何かイベントでもあったのか、
とにかく車がぜんぜん停められなくて、、

モールの裏の駐車場も、とても広いのにいっぱい。
通りの駐車スペースも、何ブロック先まで行っても満車。

町はずれのショッピングモールの駐車場が空いていたので停めさせて貰ったのですが、
車だと近く感じても、
いざアンティークモールまで歩いてみると15分もかかってしまいました。。

 

せっかくなので散歩を楽しみました。

 

 

2024331155420.jpg

↑町にはスパニッシュな建物が多いです

 

2024331155521.jpg

↑スパニッシュな何か?を取り壊したかと思われる跡。
噴水と塀のいちぶだけ残っていたのを、フェンスの網目にレンズを入れて撮影。。


 

モールが見えてきました。

 

202433115529.jpg

 

 

到着すると、いつもは施錠され「正面へおまわりください」との札をさげた扉が
開け放たれています。

 

扉の横は、前回アンティーク食器をいくつか買い付けたブースで、
今回も楽しみにしていたところ。

ブースにはマダムがひとりいて、
値札をつけているのが戸口から見えました。

ここのブースオーナー、いるのは初めてだ。

「ここから入ってもいいですか?」と聞くと、
「もちろんよ。どうぞ入って来て」との優しい声。

 

アンティーク食器をこよなく愛しているという彼女の名前は、ディアナ。

「ハリウッドで長く暮らしていて、メルローズに店も持ってたんだけれど、
姉がいる海辺のこの町に数年前に越して来たの。今はこのブースのオーナーよ」と。

 

 

2024331172541.jpg

↑お客さんが入れ替わり入ってきました

 

日本でアンティークショップをやっていて、
アメリカで買い付けをしていること、

私も数年前に大都市からカントリーサイドに引っ越したということ、

ディアナのブースからも前に買い付けたことがあると言うと、

ぜんぶにびっくりしてくれました。

 

 

2024331173540.jpg

 

 

スポードのブルーイタリアンみたいなのをセットで展開してみたくて、
何かないかなと期待したのですが、

今回の出会いは、
ひと目惚れしたロイヤルアルバート、
日本のなのよとディアナから紹介されたシリアルボウル、
あとクロス類を少しにとどまりました。

 

 

2024331173726.jpg

 

クロスの中の一枚は、1920年代のフランス製。

少し高かったので、ディアナの熱心さがなかったら断念していたかも。

色々なレクチャーを聞くことが出来ましたし、
耳寄りなフリーマーケット情報まで貰えて、
ブースオーナーがいるのも楽しいし良いな。
 

 

2024331173924.jpg

 

 

けっきょくここのモール全体での出会いも少なく、
車を正面にまわす必要がなかったので、
大きな紙袋を両手に提げて、ふたたび駐車場までの15分の道のり。。。

それなのに行きに目に入って、
拾おうか拾わまいか迷った立派な松ぼっくりを
やはり拾うことにして。。。。

 

松ぼっくりは緩衝材にもなってくれそうだったので
家具のひきだしに入れました。

この日の思い出と一緒に、来月ひきだしから出て来てくれます!

 

 

アメリカ買い付け紀行「サンディエゴのたからもの」

二日目。

サンディエゴ方面へ。

 

202432617944.jpg

 

サンディエゴの手前のオールドタウンでの買い付けを終え、
こんどはメキシコ国境付近の町まで大きく移動。

 

どちらの町もディーラーが多いので
いつもなら二日間に分けてまわるのですが、
今回は確実なディーラーを目指したかったので
オールドタウンを午後いちばんにはひき上げて、次の町へ。

 

2024326171127.jpg

↑オールドタウンで買い付けた品のひとつ、古いバギー

 

 

2024326171549.jpg

 

次へは、内陸をずっと通ってのルート。

ロッキーマウンテンを越えて行きます。

 

2024326171815.jpg

 

大好きな道。

陽光があたる乾いた山肌に、
牧柵や農場が時おり姿を現す。

「こんなところに住んだとしたら、どうやって暮らすだろうな」
「アンティークを手直してフリーマーケットに出して、
ブースのかたわらに敷地で採れた果実で手作りしたジャムを並べて売るとか?」

考えていたら楽しくなった。

 

 

サンディエゴに到着。

 

まず向かったディーラーは、
主要なバイヤーコンビが辞めてテイストがすっかり変わってしまって以来、
足が遠ざかっていたところ。

久しぶりに彼らのブログを見るとテイストが戻ってきていて、
自分のなかのアンテナも大きく振れたので、
数年ぶりに訪れました。

 

 

2024326171928.jpg

 

 

オーナー・ロリの旦那さまのジョンが私に気づき、
飛んできてくれました。

ロリは体調を崩してお休み中とのことでびっくりしましたが、
「すぐ治るから心配いらない。次回は会えるよ」とのこと。

 

「そうそう、ジェームスとブライアンがまた戻ってきたんだよ」
私が来なくなった理由が分かっていたのか、
ジョンは得意になって、くだんのバイヤーコンビのブースに案内してくれました。

 

ブログで見たテーブルがある!

 

2024326172129.jpg

 

予想通りのプライス。
でも今のレートだとなあ、、、、、

久しぶりに来て、初めての値段交渉が始まりました。。

ジョンがその都度根気よく二人に電話してくれたお陰で、
何とか欲しいものを集めることが出来ました。

 

ロリのブースにも、とびきりのキャビネットが!

 

2024319155518.jpg

 

もう売値と変わらない金額だったのを、
ジョンがロリに自主的に掛け合ってくれました。

申し訳ないくらい値引きしてくれたのですが、
それでもまだ厳しくて・・・・・

「この家具の値打ちはちゃんと分かっている、
けっして高いとは思わない、
今は円安だから、それで厳しい」ということを
きちんと伝えました。

するとあと少し値引きをしてくれて。

まだ厳しいには変わらなかったけれど、
もうそんな問題ではないと思った。

オーナー夫妻との友情って言うと
書いているそばからなんだか恥ずかしくなってきますが、、
そんな気持ちも確かにあって・・・・・

キャビネットを買い付けました。

 

この日は男手がジョンだけでした。

車への積み込みが以前と比べて少ししんどそうだったので手伝うと、
「Kioは強いんだなあ」と。

そうだよ、いつも手伝うなって頑なに言うけど、
ほんとは力持ちなんだよ、
だから一緒に運ぼう。

二台、一緒に運びましたが、
次の家具の時には女性スタッフが呼ばれて来ていて、
あとは終わりまで彼女が積み込みの補助に。

 

 

このあとサンディエゴのディーラーを三軒まわり、
今度は海沿いを通って帰りました。

 

2024326172458.jpg

 

 

忙しい一日でしたが、
ロリのウエアハウスでの出来事が何度も思い出される帰途でした。

みんな本当にありがとう。

 

初日(前日)があまりふるわなかったので、
無事に買い付けが出来たことにも感謝の一日となりました。

 

アメリカ買い付け紀行「マジックアワー」

3月6日から14日までアメリカ買い付けでした。

 

2024319153931.jpg

 

今回も「イースト」と呼ばれているLAの東エリアに滞在しました。

 

ダウンタウンLAの運送会社さんでの荷下ろしを終え、
帰宅渋滞のフリーウェイを避けて
した道でホテルに戻る、

途中、40年代くらいまではLAの繁華街であったであろう面影の残る街並みを通り過ぎ、
そして静かな住宅街を抜け、

 

2024319154241.jpg

 

毎日ルートを少し変えてみての20分間、

3月のLAの夕暮れどきは20時近くまで続くのですが、
どこもかもが明るいオレンジをまとった・・
何とも言えない光の景色のなかを走るのが楽しみでした。

 

 

買い付けの結果ですが、

今回は家具の買い付けもおこないましたが、
円安で予算がずいぶん減ってしまったため(同じ金額の円で予算を組んでいるので)、、
コンテナ満載にははるか及ばない量になりました。

 

もっと予算があれば買いたかったもの・・・・・
たくさんありましたが、
でも涙を飲んだもの(?笑)でいうと
大型家具3点くらい。

シビアに買い付けが出来たと思いますし、
中身にも満足が出来ています。

 

2024319155518.jpg

 

 

買い付けに出るようになって、19年になろうとしています。
(けっこうびっくり・笑)

 

思えば最初の頃はもっと予算も少なくて、
コンテナをチャーターしても、その半分にも満たない量なんてことも何度かありました。

そのうちに予算も物量も増えて、
二か月に一度渡航しても追いつかない時期が長く続いて・・・。

三か月に一度にして、量を増やす作戦に変えて、
それ以降はそんなペースになったけれど、
ものが見つかりづらくなってきて、買い付けエリアの拡大に迫られた数年があり、

そして2020年から三年間は、行けない期間になった。

 

やっていれば色んなことがありますね。

19年間分のことはぜんぶ、
どれもこれも経験出来て良かったことばかりだと思っています。

 

 

2024319155018.jpg

 

さて、買い付け商品の入荷についてですが、

運送会社さんの梱包が終わっていないのでまだ正式決定ではないのですが、
見立てでは航空便のレートが良かったので
船の混載便ではなく、家具も小物も一切合切、エアー便で送ることにしました。

そうなれば、量は少ないですけれど、
早く到着します!

また順次ご案内させていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

 

ダイアリーも次回から買い付けのお話を綴っていきますので、
お付き合いいただけたら嬉しいです!

 

2024319155357.jpg

買い付け前日の日記

先々月、
Kioにほど近い里山の民族資料館で、
その町の家々の蔵や納屋から出てきた生活品や農機具の展示を見ました。

 

20243514256.jpg

 

 

202435142645.jpg

 

 

薬味や薬草をすりつぶす木製の薬研(やげん)や、
地球儀みたいな形をしたブリキの手回し洗濯機なんかもあり、

薬研は私も石製のを持っているので、
「昔はこんなのみんな普通に使ってたのかなあ」って思うとなんだか感動的で、
ふらりと出掛けていったのですが、楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

 

202435143651.jpg

 

 

なかでも存在を知ってびっくりしたのが、
機織り機ならぬ「縄編み機」

 

202435143254.jpg

 

アメリカの買い付け先でも見たことがない。

とても良い佇まいをしています。

かつては日本のどんな農村にもあったんだろうか?
 

 

そしてその半月後のこと。

白山町に農業移住して来た女の子二人を我が家に招いて
お昼を振る舞ったのですが、

「このあいだ借りてる家の屋根裏から縄編み機が出てきたんですよ」
と言うではないですか!

「近所のおばあちゃんに見て貰ったら、使い方を知ってるって言って」

「でも一部が壊れてたんで動かなかったんですけど、
そうしたらおばあちゃん、地べたに座って足と手を使って縄を編み始めて」

「何十年かぶりだったらしいですけど、体が覚えてて、すごい速さで縄が完成したんですよ」

嬉々として話す二人に、資料館で見た縄編み機の写真を見せると、
「あーこれですよ!一緒です!」って。

「作りは単純なはずだから、直せるかもしれないね」と、我々。

 

それに端を発して
白山町でも家に眠っている古道具がいっぱいあるだろうね、
集めてまた光を当ててあげたらいいかもしれないね、
なんて会話に。

「Kioの一角に・・・」
と言ったら、意外だったのか二人ともきょとんとしていましたが、
でも古道具に宿るスピリットって東西同じように思うから
それはそれで楽しいかもしれない。

地域のひとにも喜ばれそうだし・・・・・

 

「アンティークモールを作りたいな」
そんな夢も長年あるので、これを機に・・なんて、
二人が帰ってからも色々と空想にふけっていました(笑)

 

「見るだけになってすみません」と、申し訳なさそうにして帰られる方が多いのですが、
これは本当にほんとうに、喜んで見ていただけると、それだけでもものすごく嬉しいんです。

むしろ、もっと品物がいっぱいあったら良かったのになって思うくらい。

 

「こんなのあるんですねえ」
「こんなのを今の時代に使ってみたい」
そんな声がまず響いて、そこからみんなの暮らしに繋がっていくような仕事・・・・・・

だから、アンティークモール、
いいなあ(笑)

 

 

前置きがとても長くなりましたが・・・・・・
 

明日から買い付けです。

アンティークモールの夢を語りましたが、
現状のKioは、大変な品薄状態・・・・・

円安もあるので、どれだけ買い付けられるか分からず、
補充くらいにしかならないかも・・と、正直思ったりもします。

 

テーブルランプ、フロアランプなどの照明類、
そして食器類、なかでもカップ&ソーサー、

この両者が皆さまがとりわけ楽しんでいってくださるアイテムなんですね、

なのでそこのボリュームをまずはしっかりさせることからかな。

 

そしてKioの代名詞的な、絵付けやペイントのされた家具。
フィレンツェのものも含めて。

このあたりが薄いと、やっぱりKioって感じがしないので、
たとえ数台でも集めたい。


あとは古道具で肉付けして・・・・・
って、予算は?!
(笑)

 

出会い次第ではありますが、
でもなんとなく買い付けの全体像が頭に描けてきています。

久しぶりなので焦らないようにしながら、
ベストを尽くしてきたいと思います。

 

それでは、行ってきます!

 

 

202435145754.jpg