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アメリカ買い付け紀行「復活祭が近づくころに」

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↑買い付け三日目の朝。
だんだん迫りくるレイクアローヘッド。

 

 

移転したり、縮小したり、
中にはオーナーチェンジや閉業をしていたり・・・・・、

今回の買い付けでは、
ディーラーに多くの変化が見られました。

 

 

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頻繁に買い付けるようになって久しいフレンチ系のディーラーも、
そのうちのひとつ。

 

昨年の夏、彼らからニュースレターが届きました。

それは大家さんから「10月までにここを明け渡してください」と突然立ち退きを強いられ、
あと二か月しか猶予がなくなったことを告げる悲しい知らせ。

「アンティーク屋」と言うよりも、
「アンティークで作り上げた世界」と言ったほうがしっくりくるような、

そんな、
オーナーの情熱と、
熱が伝搬したブースオーナー達とで築き上げられた空間。

それがなくなってしまうなんて・・・

 

規模拡大リニューアルしてまだ数年という背景もありましたので、
みんなの気持ちは如何ばかりかと思いましたし、
再建が心配でした。

 

ところが彼らはすぐに新たな場所を見つけて、
またたく間に再建に漕ぎ着けた・・・・・!

 

そこに訪れるのも、今回の楽しみのひとつでした。

 

 

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そこそこ古くに建てられたレストラン跡なのかな?

踏み固められて、磨きもかかったテラコッタの床と、
アーチがいくつもある天井と、漆喰の壁。

スペイン風の瀟洒な内装でした。

 

でも前と比べると、広さが半分くらいに。

やむを得なかったんだろうな。

それよりも近くにいい場所が運よく見つかって、
すぐに再建して、すごいと思った。

 

 

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素敵な空間も健在!

オーナーはあいにく留守でしたが、
ブースのひと達もとても楽しそうでした。

 

残念だったのは、買い付けたい品に出会えなかったこと。

でもみんなからエネルギーをいっぱい貰いました。

 

 

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↑あ!と声があがったものの、柱の大きな傷が気になって見送ったハッチ。
傷も含めていいと思えるものも沢山あるのですが、この傷はどうしても。。。
 

 

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↑イースターが近かったので、色んなところでウサギが。

 

 

このあと行ったディーラーは、オーナーチェンジ。
チェンジ直後だったみたいで、ちょうどオープン準備中とのこと。

また買い付けが出来ませんでしたが(笑)、
一軒目では良い成果が出ていたので!

 

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↑一軒目を終えて、積み込みの巻。
違反の場所に、いちおうディーラーのお墨付き?を貰って一時停車。
しかし背後の建物は、要人も泊まりにくるホテル。
早速おまわりさんがコンビで近づいてきて焦りましたが、
アンティークのピックアップですと言うと、すぐ理解して手を振って立ち去りました。ほっ。

 

 

さて、お話しが前後しますが、

前回の買い付け紀行のさいごに書いたオレンジ市では、
2005年・初回からの馴染みのカントリー系ディーラーが、
場所は変わっていないのですが、規模縮小で、
半分くらいの売り場になっていました。

 

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三年ぶりに会うオーナーの娘のケイティが
「わーーーお」と声を張り上げて駆け寄ってきてくれました。

ケ「さいごに来たのいつだっけ?」
私「三年くらい前」
ケ「それじゃあ空間が小さくなってから初めてだよね?」
私「うん」
ケ「ね!ね!小さくなったでしょう!」

それが嬉しかったことみたいに、高らかに言うケイティ。

すぐは面喰らいましたが、
「ゆっくり楽しんでいってね!何かあったら声をかけてね!」と、
ほんとうに生き生きとしてて。
そんなケイティが愛おしくなりました。

小さくなったけれど、空間は相変わらずで、
新しいブースオーナーが入ったのか、インテリア本のページを開いたような一角もありました。

 

 

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ゲートレッグテーブルを買い付け。
今回はこれ一台。

「これだけなのお!」と、満面笑顔で怒るケイティでした。

 

 

この善い人たちのビジネスが、
これから先もながく続きますようにと、
色々な行き先で願った今回の買い付けでした。

 

 

 

アメリカ買い付け紀行「フリーマーケット」

日曜日。

オレンジカウンティのフリーマーケット会場にやってきました。

 

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前回の買い付け紀行に書いた、
ディーラーのディアナから教えて貰ったというのはここです。

存在は知っていたのですが、
足が向かなかったところ。

でもディアナの「小さいんだけれど、とてもいい内容なのよ。
あなたのテイストにも合うんじゃないかしら」との言葉にこころ動かされ、
訪れてみることにしたのです。

 

メルローズのフリマくらいかなあ?と
自分なりに小さいのをイメージしていたのですが、
その3倍くらいはあり、浮足立ちました。

 

南カリフォルニアのフリマでは
どこに行っても馴染みのディーラーの姿があるものですが、
ここには誰ひとりとしていない。

みんな、ローズボウルに行っているみたいだ。

そう、第二週なのでローズボウルがあったのですが、
そちらは当初の計画からも省いたくせに、
こちらには来たという(笑)

 

朝いちから来ていますが、
ローズボウルがあるというのに、人がけっこう多くて活気がある。

ローカルエネルギーと、
アメリカでのアンティークの人気の高さを感じながら、
会場をまわりました。

 

 

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買い付けも5日目で、終盤に差し掛かる頃。

もとより少なかった予算も減ってきていて、
出物が多かったらどうしよう・・・と
ヘンな心配があったのですが、

困るようなことにはならず(笑)、
それでいて、ここで欲しいと思ったものは集めることが出来ました。

 

 

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↑右端のシェルフも買い付けました。1920-30年代頃のもの。
ビクトリアンな感じの上品さと、家庭的な感じが同居しています。

 

 

わあ、アンティークの糸つむぎ機!

 

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こんなのが店内にあったら、
しばらく売れなかったとしても、もの達を生き生き引き立てる存在になってくれそうだし、
場に物語が生まれそう・・・・・・

迷いましたが、
今回はとにかく不足している定番商品の買い付けが優先でしたので、断念。

ああ、でも円高だったら買っていただろうなあ。。。

 

ディーラーは一軒一軒に個性があり、
ディアナが言うように良いフリーマーケットだなあと思いました。

 

 

古着と、そして古着リメイクのブースも多かった。

 

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↑こちらはリメイクの帽子も手掛けてるディーラーさんでした。
トラックも気になった!

 

ディアナに「あなたは古着はやらないの?」
「古着もいいと思うけれど。私は大好きだわ」と言われて
(じっさいディアナのブースには、古着のハンガーもありました)、

なんだかKio店内に古着が並んだ絵を想像したらしっくりきて、
古着を見かけると、いつに増して丁寧に見たのでした。

 

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↑妙に気に入った子供用のつなぎ。
「これ一枚だけ急に店に並んでもなあ」と見送ったのですが、頭にインプットしておこう!

 

 

フリマ会場をあとにして、
オレンジカウンティはオレンジ市に移動してきました。

 

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フリーウェイを降りたら立ってたコンテナ看板。

写真だと広く見えますが、小さな果樹園までこしらえてあって、オレンジ市の大アピール。

看板の色のせいですかね、なんだか懐かしい気持ちにさせられました。

 

 

 

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前回は来なかったので、数年ぶりのオレンジです。

ディーラーにも変化が見られました。

ここでのエピソードはまた後日にしたいと思います。

 

今回もお付き合いくださりありがとうございました!

 

 

アメリカ買い付け紀行「スパニッシュな町でのひとこま」

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まずは、入荷についてのお知らせです。


先日のダイアリーでは
「エアー便で」とお伝えさせていただきましたが、

運送会社さんが荷造りしてくださったところ、
見込んでいたよりもワンパレット分、多くなりました、

思ったよりも買い付けのボリュームが多くて
そのことは喜ばしいのですが、

見積もっていただくと、
いくらエアーのレートが良くても
さすがにコンテナ船の混載便との差が大きく開いてしまったので、
予定変更で、船便で出すことになりました。

 

今のところでは、4月24日に名古屋に入港予定です。

早くお披露目出来そうですと大威張りでお知らせしておりましたが、、
こんなふうでこれまでのコンテナと同じ日程となります。

予定が変わってしまってごめんなさい、、、、

お披露目は、ゴールデンウイーク頃になりそうです。
白山町がいちばん気持ちのいい季節です。

入荷状況は順次お知らせさせていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

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さて、今回の買い付け紀行は、ある日のひとこまを。

 

土曜日は、オレンジカウンティの海辺のエリアをまわりました。

その日の二軒目での出来事です。

 

訪れたのはアンティークモール(冒頭の写真)。

観光地にあるので、町もモールもいつも賑わっているのですが、
この日は何かイベントでもあったのか、
とにかく車がぜんぜん停められなくて、、

モールの裏の駐車場も、とても広いのにいっぱい。
通りの駐車スペースも、何ブロック先まで行っても満車。

町はずれのショッピングモールの駐車場が空いていたので停めさせて貰ったのですが、
車だと近く感じても、
いざアンティークモールまで歩いてみると15分もかかってしまいました。。

 

せっかくなので散歩を楽しみました。

 

 

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↑町にはスパニッシュな建物が多いです

 

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↑スパニッシュな何か?を取り壊したかと思われる跡。
噴水と塀のいちぶだけ残っていたのを、フェンスの網目にレンズを入れて撮影。。


 

モールが見えてきました。

 

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到着すると、いつもは施錠され「正面へおまわりください」との札をさげた扉が
開け放たれています。

 

扉の横は、前回アンティーク食器をいくつか買い付けたブースで、
今回も楽しみにしていたところ。

ブースにはマダムがひとりいて、
値札をつけているのが戸口から見えました。

ここのブースオーナー、いるのは初めてだ。

「ここから入ってもいいですか?」と聞くと、
「もちろんよ。どうぞ入って来て」との優しい声。

 

アンティーク食器をこよなく愛しているという彼女の名前は、ディアナ。

「ハリウッドで長く暮らしていて、メルローズに店も持ってたんだけれど、
姉がいる海辺のこの町に数年前に越して来たの。今はこのブースのオーナーよ」と。

 

 

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↑お客さんが入れ替わり入ってきました

 

日本でアンティークショップをやっていて、
アメリカで買い付けをしていること、

私も数年前に大都市からカントリーサイドに引っ越したということ、

ディアナのブースからも前に買い付けたことがあると言うと、

ぜんぶにびっくりしてくれました。

 

 

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スポードのブルーイタリアンみたいなのをセットで展開してみたくて、
何かないかなと期待したのですが、

今回の出会いは、
ひと目惚れしたロイヤルアルバート、
日本のなのよとディアナから紹介されたシリアルボウル、
あとクロス類を少しにとどまりました。

 

 

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クロスの中の一枚は、1920年代のフランス製。

少し高かったので、ディアナの熱心さがなかったら断念していたかも。

色々なレクチャーを聞くことが出来ましたし、
耳寄りなフリーマーケット情報まで貰えて、
ブースオーナーがいるのも楽しいし良いな。
 

 

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けっきょくここのモール全体での出会いも少なく、
車を正面にまわす必要がなかったので、
大きな紙袋を両手に提げて、ふたたび駐車場までの15分の道のり。。。

それなのに行きに目に入って、
拾おうか拾わまいか迷った立派な松ぼっくりを
やはり拾うことにして。。。。

 

松ぼっくりは緩衝材にもなってくれそうだったので
家具のひきだしに入れました。

この日の思い出と一緒に、来月ひきだしから出て来てくれます!

 

 

アメリカ買い付け紀行「サンディエゴのたからもの」

二日目。

サンディエゴ方面へ。

 

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サンディエゴの手前のオールドタウンでの買い付けを終え、
こんどはメキシコ国境付近の町まで大きく移動。

 

どちらの町もディーラーが多いので
いつもなら二日間に分けてまわるのですが、
今回は確実なディーラーを目指したかったので
オールドタウンを午後いちばんにはひき上げて、次の町へ。

 

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↑オールドタウンで買い付けた品のひとつ、古いバギー

 

 

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次へは、内陸をずっと通ってのルート。

ロッキーマウンテンを越えて行きます。

 

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大好きな道。

陽光があたる乾いた山肌に、
牧柵や農場が時おり姿を現す。

「こんなところに住んだとしたら、どうやって暮らすだろうな」
「アンティークを手直してフリーマーケットに出して、
ブースのかたわらに敷地で採れた果実で手作りしたジャムを並べて売るとか?」

考えていたら楽しくなった。

 

 

サンディエゴに到着。

 

まず向かったディーラーは、
主要なバイヤーコンビが辞めてテイストがすっかり変わってしまって以来、
足が遠ざかっていたところ。

久しぶりに彼らのブログを見るとテイストが戻ってきていて、
自分のなかのアンテナも大きく振れたので、
数年ぶりに訪れました。

 

 

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オーナー・ロリの旦那さまのジョンが私に気づき、
飛んできてくれました。

ロリは体調を崩してお休み中とのことでびっくりしましたが、
「すぐ治るから心配いらない。次回は会えるよ」とのこと。

 

「そうそう、ジェームスとブライアンがまた戻ってきたんだよ」
私が来なくなった理由が分かっていたのか、
ジョンは得意になって、くだんのバイヤーコンビのブースに案内してくれました。

 

ブログで見たテーブルがある!

 

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予想通りのプライス。
でも今のレートだとなあ、、、、、

久しぶりに来て、初めての値段交渉が始まりました。。

ジョンがその都度根気よく二人に電話してくれたお陰で、
何とか欲しいものを集めることが出来ました。

 

ロリのブースにも、とびきりのキャビネットが!

 

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もう売値と変わらない金額だったのを、
ジョンがロリに自主的に掛け合ってくれました。

申し訳ないくらい値引きしてくれたのですが、
それでもまだ厳しくて・・・・・

「この家具の値打ちはちゃんと分かっている、
けっして高いとは思わない、
今は円安だから、それで厳しい」ということを
きちんと伝えました。

するとあと少し値引きをしてくれて。

まだ厳しいには変わらなかったけれど、
もうそんな問題ではないと思った。

オーナー夫妻との友情って言うと
書いているそばからなんだか恥ずかしくなってきますが、、
そんな気持ちも確かにあって・・・・・

キャビネットを買い付けました。

 

この日は男手がジョンだけでした。

車への積み込みが以前と比べて少ししんどそうだったので手伝うと、
「Kioは強いんだなあ」と。

そうだよ、いつも手伝うなって頑なに言うけど、
ほんとは力持ちなんだよ、
だから一緒に運ぼう。

二台、一緒に運びましたが、
次の家具の時には女性スタッフが呼ばれて来ていて、
あとは終わりまで彼女が積み込みの補助に。

 

 

このあとサンディエゴのディーラーを三軒まわり、
今度は海沿いを通って帰りました。

 

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忙しい一日でしたが、
ロリのウエアハウスでの出来事が何度も思い出される帰途でした。

みんな本当にありがとう。

 

初日(前日)があまりふるわなかったので、
無事に買い付けが出来たことにも感謝の一日となりました。

 

アメリカ買い付け紀行「マジックアワー」

3月6日から14日までアメリカ買い付けでした。

 

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今回も「イースト」と呼ばれているLAの東エリアに滞在しました。

 

ダウンタウンLAの運送会社さんでの荷下ろしを終え、
帰宅渋滞のフリーウェイを避けて
した道でホテルに戻る、

途中、40年代くらいまではLAの繁華街であったであろう面影の残る街並みを通り過ぎ、
そして静かな住宅街を抜け、

 

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毎日ルートを少し変えてみての20分間、

3月のLAの夕暮れどきは20時近くまで続くのですが、
どこもかもが明るいオレンジをまとった・・
何とも言えない光の景色のなかを走るのが楽しみでした。

 

 

買い付けの結果ですが、

今回は家具の買い付けもおこないましたが、
円安で予算がずいぶん減ってしまったため(同じ金額の円で予算を組んでいるので)、、
コンテナ満載にははるか及ばない量になりました。

 

もっと予算があれば買いたかったもの・・・・・
たくさんありましたが、
でも涙を飲んだもの(?笑)でいうと
大型家具3点くらい。

シビアに買い付けが出来たと思いますし、
中身にも満足が出来ています。

 

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買い付けに出るようになって、19年になろうとしています。
(けっこうびっくり・笑)

 

思えば最初の頃はもっと予算も少なくて、
コンテナをチャーターしても、その半分にも満たない量なんてことも何度かありました。

そのうちに予算も物量も増えて、
二か月に一度渡航しても追いつかない時期が長く続いて・・・。

三か月に一度にして、量を増やす作戦に変えて、
それ以降はそんなペースになったけれど、
ものが見つかりづらくなってきて、買い付けエリアの拡大に迫られた数年があり、

そして2020年から三年間は、行けない期間になった。

 

やっていれば色んなことがありますね。

19年間分のことはぜんぶ、
どれもこれも経験出来て良かったことばかりだと思っています。

 

 

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さて、買い付け商品の入荷についてですが、

運送会社さんの梱包が終わっていないのでまだ正式決定ではないのですが、
見立てでは航空便のレートが良かったので
船の混載便ではなく、家具も小物も一切合切、エアー便で送ることにしました。

そうなれば、量は少ないですけれど、
早く到着します!

また順次ご案内させていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

 

ダイアリーも次回から買い付けのお話を綴っていきますので、
お付き合いいただけたら嬉しいです!

 

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買い付け前日の日記

先々月、
Kioにほど近い里山の民族資料館で、
その町の家々の蔵や納屋から出てきた生活品や農機具の展示を見ました。

 

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薬味や薬草をすりつぶす木製の薬研(やげん)や、
地球儀みたいな形をしたブリキの手回し洗濯機なんかもあり、

薬研は私も石製のを持っているので、
「昔はこんなのみんな普通に使ってたのかなあ」って思うとなんだか感動的で、
ふらりと出掛けていったのですが、楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

 

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なかでも存在を知ってびっくりしたのが、
機織り機ならぬ「縄編み機」

 

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アメリカの買い付け先でも見たことがない。

とても良い佇まいをしています。

かつては日本のどんな農村にもあったんだろうか?
 

 

そしてその半月後のこと。

白山町に農業移住して来た女の子二人を我が家に招いて
お昼を振る舞ったのですが、

「このあいだ借りてる家の屋根裏から縄編み機が出てきたんですよ」
と言うではないですか!

「近所のおばあちゃんに見て貰ったら、使い方を知ってるって言って」

「でも一部が壊れてたんで動かなかったんですけど、
そうしたらおばあちゃん、地べたに座って足と手を使って縄を編み始めて」

「何十年かぶりだったらしいですけど、体が覚えてて、すごい速さで縄が完成したんですよ」

嬉々として話す二人に、資料館で見た縄編み機の写真を見せると、
「あーこれですよ!一緒です!」って。

「作りは単純なはずだから、直せるかもしれないね」と、我々。

 

それに端を発して
白山町でも家に眠っている古道具がいっぱいあるだろうね、
集めてまた光を当ててあげたらいいかもしれないね、
なんて会話に。

「Kioの一角に・・・」
と言ったら、意外だったのか二人ともきょとんとしていましたが、
でも古道具に宿るスピリットって東西同じように思うから
それはそれで楽しいかもしれない。

地域のひとにも喜ばれそうだし・・・・・

 

「アンティークモールを作りたいな」
そんな夢も長年あるので、これを機に・・なんて、
二人が帰ってからも色々と空想にふけっていました(笑)

 

「見るだけになってすみません」と、申し訳なさそうにして帰られる方が多いのですが、
これは本当にほんとうに、喜んで見ていただけると、それだけでもものすごく嬉しいんです。

むしろ、もっと品物がいっぱいあったら良かったのになって思うくらい。

 

「こんなのあるんですねえ」
「こんなのを今の時代に使ってみたい」
そんな声がまず響いて、そこからみんなの暮らしに繋がっていくような仕事・・・・・・

だから、アンティークモール、
いいなあ(笑)

 

 

前置きがとても長くなりましたが・・・・・・
 

明日から買い付けです。

アンティークモールの夢を語りましたが、
現状のKioは、大変な品薄状態・・・・・

円安もあるので、どれだけ買い付けられるか分からず、
補充くらいにしかならないかも・・と、正直思ったりもします。

 

テーブルランプ、フロアランプなどの照明類、
そして食器類、なかでもカップ&ソーサー、

この両者が皆さまがとりわけ楽しんでいってくださるアイテムなんですね、

なのでそこのボリュームをまずはしっかりさせることからかな。

 

そしてKioの代名詞的な、絵付けやペイントのされた家具。
フィレンツェのものも含めて。

このあたりが薄いと、やっぱりKioって感じがしないので、
たとえ数台でも集めたい。


あとは古道具で肉付けして・・・・・
って、予算は?!
(笑)

 

出会い次第ではありますが、
でもなんとなく買い付けの全体像が頭に描けてきています。

久しぶりなので焦らないようにしながら、
ベストを尽くしてきたいと思います。

 

それでは、行ってきます!

 

 

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青山高原の山荘にシャンデリアをお届けに

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Kioの西手にある山。

青山高原。

そこには山頂だけをずうっと走ることの出来る
ドライビングロードがあります。

 

その道沿いに山荘地が二つあって、
場所によっては伊勢湾が一望出来たり、
とにかく山頂ということで空が抜けているところが多くて、
それがここの大いなる魅力。

こういった山荘地って、なかなか無いのではないかしら?

 

時代も変わって、最近では定住する人もじわじわ増えてきていると聞きます。

今日ご紹介するお家の住人Oさんも、そんな中のお一人。

昨年末に手に入れて、
すっかりお引越しも終えたコテージにシャンデリアを選んでいただき、
先日設置も兼ねて高原のてっぺんまでお届けにあがりました。

 

 

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三角屋根好きの私ですが(笑)、
中でもこの角度の三角屋根が、いちばん好きです!

破風(はふ)のさりげない装飾も似合って、素敵な屋根。

そして素敵なコテージです。

 

 

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壁も天井も、すべて羽目板でした。

おそらくレッドパインなのではと思うのですが、
赤味のあるウッドに6灯のシャンデリアの光りがあたって、
それはとても温かで、
本当に山荘のイメージそのものと言った色味にお部屋全体がなって、
Oさんも電気が灯るなり「うわ、いいねえ!」と大喜びでした。

 

 

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衣類持ちでいらっしゃるので、
なんだかショップみたいでもありますね。

 

作業は電気工事士の資格を持つ夫がおこない、
そのあいだ私は子猫のくぬぎちゃんに遊んで貰っていました。

 

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二階で寝ていた兄弟のマルタくんともども
実は私たち、Oさんよりも先に赤ちゃんの時から知っていたので、
二人が幸せになったこともシャンデリアが上手く設置出来たのと同じくらい(それ以上?)
本当に嬉しかった。

 


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朝が来ると、窓やデッキから外の景色をぼんやり眺めるのが
Oさんにとっての至福の時間なのだそう。

 

「まだ売り物件が出ていますよ」と、おすすめしてくれましたが、
私たちには高原のふもとのKioがありますし、
何よりそんなお金のゆとりもありません。。。

でも、こんなところで本を読んだり、
コーヒーをゆっくり淹れて過ごせたらいいだろうなあっていうのは
この山荘地に来るたび思いますね。

 

あと、それこそもしお金が有り余っていたら、ここに教会を建てたい!
というのもずっと妄想している(笑)

教会と言っても宗教的な何かというのではなくて、
きれいな光が差し込んできて、少し細工のされたベンチがあって、
自分を含めて訪れた人が思い思いにただただぼんやりと過ごすことの出来る空間。

木造建築で、屋根はもちろんOさん邸のような角度の三角で!(笑)

 

 

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壁の額絵たちも一緒にお求めいただきました。

 

Oさん、今回は本当にありがとうございました!

またふもとにてお待ちしております。

 

 

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おまけ。

山頂では昼間でも鹿が出ます。

この日も斜面を駆け上がっていく小鹿を見ました。

 

高知への旅があったり、アーミッシュから学んだり

先月のことですが、急な用事で高知県へ行きました。

朝5時に家を出て、夜の11時半に帰宅。

日帰りの車旅です。

 

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明石海峡を渡り、淡路島を横断し、
今度は鳴門海峡を越えて、四国へ。

淡路島を走っている間は、
なんだかどうしてか、日本の〝おへそ〟にいるみたいな感じがして、
その時の不思議な感覚がずっと残っています。

 

四万十川も初めて見ました。

大らかな川でした。

そんな場所で、地に足をつけて生きる温かくて陽気なご夫婦と会いました。

 

自分たち的にも、世の中的にも新年早々から色んなことがあって、
時間が過ぎるスピードがこれまでに以上に早く感じます。

そんななかで四国に行ったときのことは、
アメリカに買い付けで行ったのと同じような記憶場所?におさめられていて、
思い出すと落ち着いた気持ちになります。

 

まだ確定ではないのですが、
来月買い付けを計画しています。
(近づいているのにまだ未確定だなんて、、、!)


きっと何回か同じようなことを書いていると思いますが、、
「使えるもの。かつ絵にもなるような美しいもの。」
そういったのを探して展開していきたい。

たとえば台所がある。

そこには調理道具や食器が必要だし、
それにテーブル、椅子、食器棚、明かりも必要。

最低限でみてとっても要るそれらのアイテムを、
長く使えて、美しいものにする。
それだけで景色は良くなるし、寛いで楽しい気分にもなれる。

だからそれらは、物質ではあるのだけれども、
それをちょっと超えて精神的なものであると言える。

そこをやりたい。
大事にしたいと思っている。

 

この間、動画で公開されたアーミッシュの人の家を見ました。

また折りをみてゆっくり書くかもしれませんが、
とにかく本当に衝撃的でした。

美しいとはこういうこと。
本来、シンプルで機能的で持続可能とはこういうことなんだって。

思想や風習という枠でとらえると彼らのことは分かりづらくなってしまうのかもしれませんが、
誰もが実践できて満足が得られる暮らしを見たような気がします。

「こんな暮らしをされたらメーカーのものは売れなくなっちゃうかもしれないね」
思わず夫に向かってこんなことを口走っていました。

 

美しくて、継続できる暮らし。

 

Kioとしてやれることがもっと沢山あるはず。

 

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以前みたいにネジをいっぱい巻いてやるのではなくて、
少し緩めて・・・・・、
自分たちも暮らしをもっと楽しみ、
そこから出たものを盛り込みながら、
今までよりあじわいのある店や品揃えになっていきたいです。

 

書くとついアツくなるのは変わっていませんね。。。笑

熱いものを提供していきますね!

これからもよろしくお願いいたします。

 

(四国ではぜんぜん写真が撮れなくて。。。
画像が少なくてごめんなさい。。。)

今年もありがとうございました。炉辺にて。

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二階の住まいに薪ストーブがつきました。

 

長年の夢ではあったのですが、
すっかり〝自分たちで手作り〟が生活のモットーになってしまったがため、
「さすがに薪ストーブの設置はハードルが高いね」ということで
これは夢のままできっと終わってしまうだろうと思っていました。

 

ところがある日、
「薪ストーブをつけることにしたよ」と、
耳を疑うような言葉が夫の口から突然出て。

ホームセンターで何気に手に取った薪ストーブのカタログを見ていたら、
自分でも出来るんじゃないかと思えてきたのだそうです。

(それから夫は、YouTubeなどで猛勉強の日々でした・笑)

 

鉄の塊を二階にあげるのは家具とはわけが違いましたし、
とくに煙突工事は、風の強い地域でしたので失敗に次ぐ失敗で、
想像以上に苦戦しましたが、
夫が諦めずに頑張ってくれたお陰で
今年は薪の炎を見ながらの年越しです。

 

鋳物の炉があり、そこに薪をくべる。
ただそれだけ。
電気も燃料タンクもいっさい使わない。

そんな薪ストーブは、原始的と言えるまでのシロモノ。

 

でも、上昇気流を作って炉内の温度をあげてあげないと、
薪は燃えてくれない。

そのために着火の際には窓を開けて室内の気圧を弱めたり、
燃えやすい針葉樹と、長持ちする広葉樹を使い分けたりしないといけない。

 

ひと筋縄ではいかないけれども、
そこに自然の摂理を見ることが出来る。
すごく面白いし、勉強になる。

 

「こんなことを学校で教えて欲しかったね」
なんて夫と笑って話しながら、
やはりここでもKioをやりながらいつもいつも考える
〝本物の道具〟のことを思う。

 

 

もうすぐ新しい年が始まります。

どんなことが出来るかな。

どんなモノを提供させていただくことになるだろう・・・・・

興奮、期待、
そんなのが静かに・・興奮なのに静かと言うのもおかしいのだけれども、
でもそんな感じで・・心に湧きおこってきています。

 

そして皆さまへの感謝も同時に。

買い付けもまだまだ不安定ななか、
そんなKioをいつも見ていてくださって、ご愛顧くださって、
本当にありがとうございます。

 

どうぞ良いお年をお迎えください。

皆さまにとって2024年が幸せな一年でありますように。

 

 

ふるいビルで、モノを愛でる。レトロマーケット出店レポート。

日本有数の繊維の町としても知られる、愛知県一宮市。

 

そんな一宮の駅前に佇む、
三階建ての古い洋館。

 

 

2023112516593.JPG

 

 

繊維産業の最盛期・1930年代年に、繊維組合のビルとして建てられたもの。

 

杉綾意匠のアーチ窓、スクラッチタイル張りの外壁・・・、

かなりの贅を凝らして造られたビルディングです。

 

 

 

 

そんな名建築が解体の危機に直面していると聞いたのは、

地元で衣食住遊のデザインコーディネート業を営む稀温(きおん)さんという女性。

 

私の学生時代の友人でもあります。

 

ビルを一棟借り受けて危機から救うというプロジェクトに漕ぎ着け、
2016年より『リテイル』という名前で
繊維素材の販売や、
アトリエ・ショップ・イベント企画などをおこなっています。

 

 

彼女の誘いと想いに感銘を受けて、
23日の勤労感謝の日、

古いモノ達の新たな出会いの場として年に二回開かれている

「オールド/ニュー」というイベントに参加してきました。

 

 

 

 

 

 

 

↑Kioのスペース。
 

イベント自体が初めてでしたし、
買い付け前で商品が少ない時期でもあったので、

カタチになって、かつボリュームも出せるかどうか心配だったのですが、

 

稀温さんの「ひとつでもKioらしいモノがあったらいいと思います!」

との言葉のお陰で気が楽になり(笑)、

予定外だった大きいモノもかえって運んでみたくなったりして、
なんとかKioっぽいブースが出来ました。

 

 

良い出会い、懐かしいひととの再会もありました。

 

実店舗でもそうですが、こういったことがやっぱりいちばん嬉しいものですね。

 

 

そしてもうひとつ。

 

二年前から原寸大の映画前売り券を掲載した本を作っている夫が

稀温さんの厚意で急きょ一緒に出店をしたこと。

 

Kioブースの一角にコーナーを設けたのですが、

アンティーク以上の反響が返ってくることもありましたし(笑)、

 

アンティークだけでなく本にも大変興味を持った方が
両方を買って下さるなんてこともあって、

夫は大喜び、

私としてもいつもの実店舗では味わえない新鮮な体験で、

お互い楽しい一日になったのでした。

 

 

 

ビルは「街だったらここに出店したい!」と思うほど好み(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

稀温さん、お誘いをありがとう!

ビルがずっとこのまま使い続けていけれるといいですね。

 

 

オールド/ニューは明日26日も開催していますよ!